2012 Fiscal Year Research-status Report
地震前後の衛星画像による広域液状化発生範囲の早期把握手法の開発
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24656283
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古関 潤一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30272511)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 液状化 / 地震 / 衛星画像 / 現地調査 / 室内実験 |
Research Abstract |
2011年東日本大震災では東北地方から関東地方にかけての広域で多数の液状化が生じた。液状化発生箇所が多数かつ広域に分布しているために、多数の研究者で分担したが、その全ての現地調査を短期間に行うことは実質的には不可能であり、被害の全容が解明するまでに長期の時間を要した。このような経験を踏まえて、本研究では、地震前後に撮影した高解像度・マルチバンドの衛星画像を用いて、液状化により噴砂・噴水が発生した箇所とその範囲を精度良く判別する手法を開発することを目的とする。本年度は、利根川流域で撮影したGeoEyeおよびRapidEyeによる衛星画像を対象に、以下の基礎的検討を実施した。 1) 衛星画像分析:地震前後に撮影した高解像度・マルチバンドの衛星画像を分析し、液状化により噴砂・噴水が発生した箇所とその範囲を精度良く判別する手法を開発した。液状化発生を地震直後に現地確認してある地点の情報をトレーニングデータとして用いることで、被災後の衛星画像から類似の地点を抽出した。 2) 現地調査: 1)で抽出した液状化範囲の整合性を現地調査で検証した。また、関連自治体へのヒアリングを行い、噴砂発生状況から実際の液状化範囲を推定した。 3) 室内実験: 実際の液状化箇所から採取した多数の噴砂試料を用いて、地表面に噴出した後の乾燥過程を室内で再現し、その際の画像スペクトルの変化をスペクトルメータで計測した。この結果を、上記1)の抽出条件および2)の現地調査結果と比較した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
利根川流域で撮影したGeoEyeおよびRapidEyeによる衛星画像を対象に基礎的な検討を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 衛星画像分析(継続) 前年度の検討成果に基づいて追加検討箇所を選定し、その衛星画像の分析を行う。また、最大余震の前後で撮影された画像の分析も実施することにより、液状化発生規模が異なる場合や、再液状化発生時に対する適用性を検討する。以上の検討を通じて、液状化発生規模や噴砂・噴水の発生性状の違いに応じ、どの程度の解像度およびバンド範囲の画像が必要であるかを明らかにする。 2) 現地調査(継続) 追加検討箇所に対する現地調査を継続して実施することにより、整合性の検証事例数とその内容を拡大深化させる。最大余震による再液状化状況に関しても、必要に応じて現地調査を追加する。 3) 室内実験(継続) 噴砂試料を対象とした画像スペクトルの計測を継続して実施する。乾燥過程での降雨や再液状化も室内で再現し、その結果を反映させて抽出条件を改善することにより、抽出精度を向上させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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