2013 Fiscal Year Research-status Report
液体,固体及び地形表面形状の動的計測法法開発への挑戦
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24656291
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡部 靖憲 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20292055)
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Keywords | 水工水理学 / 画像計測 / 自然現象観測・予測 |
Research Abstract |
計測タイミング制御アルゴリズム開発 本計測システムで使用する市販のPCプロジェクタを使ってプロジェクタ投影固有周期以上で高速撮影を行う場合には,対象物上に単色のみ投影された画像となるためカラー抽出処理が不能となる.昨年までに開発したプログラマブル・プロジェクタに対する投影時間間隔,強度,パターンの最適化アルゴリズムを高速画像計測へ適用し,その精度,信頼性を検証した. マルチレベル空間最適化法によるカラーパターン追跡アルゴリズムの開発 昨年までに開発した画像上の対応カラーブロックの自動追跡法をクアドツリーグリッドを用いた多重解析法を導入することによりさらに高速,高効率化を進めた.これは,オプティカルフローの解析法の一つである空間最適化法を適用し,連続した画像上において対象表面に投影された同一カラーブロックを追跡し,動的なブロック位置の特定を行うことにより対応ブロック検出の自動化を図るものであり,多重解像度をもつ画像上のカラーブロックの色をRGB分解したうえで,連続する画像上のそれぞれの色要素の輝度が保存されるよう移動速度の最適解を変分原理を基に決定するものである. 水中からの散乱光補正 昨年までに新たに発見された問題について検討を行い,水面計測において一定の精度を保証するためのモデルを開発した.これは,自由水面にプロジェクタ光を照射する際に発生する水中のランベルト多重散乱系がつくる光分布が水面特定の精度を著しく低下させる現象を数値的に再現し,照射角度と水中に混入した染料濃度の2つのパラメータから誤差を最小化するようにパラメータ化するものである.なお,これらの検証は,購入したダムブレーク水槽において,ゲート開放に伴う水柱崩壊から段波の進行へと典型的な非定常水面形が発達する流れに対して行われたものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度実施予定であった計測タイミング制御アルゴリズム及マルチレベル空間最適化法によるカラーパターン追跡アルゴリズムの検証,そして水中からの散乱光補正モデル開発を全て行い,システムの実用化へ向けた十分な研究成果を得ている.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度まで別個に作成したアルゴリズムを統合し,総合的な計測精度検証を行うと同時に,気体液体を同時に含む流れ場の動的表面計測へ応用し,実践的問題点の修正とその能力の検証をを行う.
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