2014 Fiscal Year Annual Research Report
液体,固体及び地形表面形状の動的計測法法開発への挑戦
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24656291
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡部 靖憲 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20292055)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 水工水理学 / 画像計測 / 自然現象観測・予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年までに開発した計測タイミング制御アルゴリズム,マルチレベル空間最適化法によるカラーブロックの自動追跡アルゴリズム,そして液体自由水面座標に生じるエラーを修正するアルゴリズムをシステムに導入した.ここで水中からの散乱光補正は,水中に混入する微粒子間のランベルト多重散乱による影響を多段階の逐次計算により数値的見積もるものであり有意なコストが必要となることが判明している.この問題を解消するため,光学的多重反射系の近似的解を陽的に見積もる最適化法を開発した.この成果は国際専門雑誌への投稿を準備中である. 砕波水面及びダムブレーク遡上波水面の動的形状計測に対する2種類の応用実験を行い新たな知見を取得した.巻き波砕波後の水面は着水後にフィンガージェットの形成,そして飛沫への分裂と動的に変動する.一方,任意の勾配を遡上するダムブレーク遡上波は,勾配の急峻化に伴い先端の形状blob状に変形し,その背後の水層部の厚さが薄くなり波状の水面形が形成される. 新たなアルゴリズムを導入した本画像計測法は,連続的な大変形を伴う表面形状の追跡を可能とするものであるが,水面の分裂等表面においてプロジェクターの反射光が消失する様な複雑な形状遷移に対する計測においては大きな誤認識が生じることが判明した.このエラーを回避するため2眼視計測により2つの視軸上のカラーブロックを抽出する新たなアルゴリズムを開発した.これは2つのカメラとプロジェクターに対応する3つのピンホールモデル系において位置誤差が最小となるように較正されるのであり,両カメラの視軸上で探索されるカラーブロックのみ真値として取得可能であり,原理的にカラーブロック自体の追跡が不要となり,信頼性が向上する.
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