2014 Fiscal Year Annual Research Report
カイトフォトと可搬型Xバンドレーダーを用いた河口物理環境の機動的モニタリング
Project/Area Number |
24656293
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 愼司 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90170753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武若 聡 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 教授 (80202167)
田島 芳満 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20420242)
下園 武範 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (70452042)
劉 海江 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10600679) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高波 / 台風 / 洪水 / 砂州 / 地形測量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、環境劣化が深刻化している河口域において、可視画像とXバンドレーダ画像に基づき、地形変化や流体運動の物理環境を監視するシステムを構築する。平成26年度は、天竜川河口域において、現地調査とXバンドレーダによる観測を行った。 現地観測では,RTK-GPS を用いて水際線及び岸沖断面地形を測量するとともに、無人ヘリコプター(UAV)を用いて上空から砂州地形を撮影した.無人ヘリコプターによる地形観測では、UAVを上空約100m付近で水平移動させ、多数の写真を撮影した。撮影画像は、参照点探索と写真測量技術を組み合わせて、三次元点群に変換した。撮影領域内に三次元座標が既知の標定点を配置して、その座標から測量の精度を推定したところ、標高は数十cmの精度で計測されていることを確認した。広い領域を短時間で測量する場合には、有力な手法であることが確認できた。 Xバンドレーダを用いた観測では、出水や波浪の作用による河口域の土砂移動の規模、河口テラスの拡大・縮小、および、河口砂州先端位置の移動などを観測した。その結果、出水時の土砂移動過程を代表する物理量を抽出し、これを出水の規模と関連付けることに成功した。また、河口テラスが、出水により拡大し、その後の波浪の作用により徐々に縮小する過程が捉えられた。これは、河口テラスの消長が、河口周辺海岸への土砂供給源であることを示している。さらに、侵食された河口砂州の回復時において、砂州先端の伸長速度と沿岸方向波浪エネルギーフラックスに相関があることが示された。 以上により、常時監視体制としてのXバンドレーダの運用が確立され、さらに、イベント発生時の機動的な観測において、水際線形状、砂州頂部高さなどをGPS計測にて測量するとともに、無人ヘリコプターによる広域短時間の地形計測が有効であることが示された。
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