2012 Fiscal Year Research-status Report
蛍光X線分析法を用いた河口・沿岸部での土砂移動追跡手法の開発
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24656294
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
加藤 茂 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40303911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡辺 拓巳 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50464160)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 蛍光X線 / 土砂移動 / 均一性 / 化学元素 |
Research Abstract |
・XRFのための土壌サンプルの計測前処理の検討 これまでの研究により,現地の海浜砂をふるい分けや粉砕等の前処理を施さずそのまま使用した場合,同一サンプル内においても分析試料の不均一性によると思われる計測誤差が生じることが問題となっていた.そこで今年度は,分析サンプル(サンプルカップ,直径3.0cm/高さ2.5㎝)内での均一性,採取試料内での均一性および採取試料の粒度特性の影響について検討を行った.標準試料(国立環境研究所,NISE CRM No.121)を用いて検討を行った結果,十分に細かく粉砕された試料においてはサンプルカップ内および採取試料内での不均一性はほぼ無視できた.また,粒度の影響については,現地採取試料の代表(中央)粒径,粒度分布,分析サンプルとしての取得効率を検討した結果,本研究で対象とした表浜海岸においてはふるい分析によって0.3mm以下の砂を取得し,それを用いて分析を行うことが計測結果の安定性,作業効率の両面から適当であると判断できた. ・河川・沿岸域における土砂の化学組成空間分布特性の把握 三河湾奥の豊川河口域に位置する干潟(六条潟)において,時間・空間的な底質採取を行い,その試料の分析を行うことで,干潟における化学元素の時間・空間分布特性を検討した.同時に実施したカラーサンドによる土砂追跡調査の結果と比較した結果,約2か月間にわたる土砂の移動傾向とFe,Cr,Mn,Tiの含有量(PPM)の増加傾向に対応が見られ,蛍光X線分析による土砂移動追跡の可能性が確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蛍光X線分析を用いた土砂移動追跡手法を開発する目的に対して,今年度,豊川河口の六条潟において蛍光X線分析の適用性を検討している.現地調査と分析結果から,その適用可能性を示すことができ,新たな調査手法としての開発に向けて順調に研究が進められていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
六条潟におけるカラーサンドを用いた土砂移動追跡調査が年度末まで継続され,大量の試料を取得することができた.カラーサンドによる土砂移動と蛍光X線分析による化学元素含有量の変化を詳細に分析することにより,蛍光X線分析による土砂移動追跡の実用性を検証できるものと考えている. また,現地での気象・海象特性の把握・分析も並行して行うことで,移動プロセスと元素含有量変化の関係を明らかにし,調査手法としての信頼性を高めることを目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
地元自治体と協力体制を構築することができたため,現地調査において協力が得られた.それにより,調査における必要経費の削減が可能となった. この経費を有効活用し,次年度は調査方法の有効性の実証に必要な追加調査や,新たなデータ解析法の開発を行う予定である.
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Research Products
(3 results)