2014 Fiscal Year Annual Research Report
都市型水害軽減を目的とした屋上貯留を含む総合的流出抑制手法に関する研究
Project/Area Number |
24656297
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
山田 正 中央大学, 理工学部, 教授 (80111665)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 雨水流出抑制 / ヒートアイランド現象 / 屋上貯留 / 保水性セラミックス |
Outline of Annual Research Achievements |
「雨水流出抑制」及び「ヒートアイランド緩和」の効果インパクトを評価するため,「保水性セラミックス」を森ビル所有の東京都内事務所ビル(SVAX TTビル)の屋上に敷設し,実証試験を実施した.また,評価解析・シミュレーションにより費用対効果などの調査と評価検証を行った. 実証試験では,2010年8月1日~2015年3月31日の屋上コンクリート表面温度の測定結果において,保水セラミックスを敷設した場合,敷設なしのコンクリート表面に比べて最大で約24℃の温度低減効果が認められた.降雨直後においては,毎日給水している芝生よりも保水セラミックスを敷設した場合の温度が低くなる傾向を示し,10日間程度は芝生よりも優れた温度低減効果を示した.また,雨水流出抑制量の実績では1年間(2010年8月~2011年7月)の総降雨量1,277mmに対して,保水性セラミックスの雨水貯留量は301~432mmに達し,貯留率は23.6~33.8%であることが明らかになった. 雨水流出抑制効果として,保水性セラミックスによる屋上貯留を行った際の氾濫シミュレーションより,費用対効果を算出し,他の整備項目と比較し,保水性セラミックスによる屋上貯留が非常に効果的であることが示された.ヒートアイランド緩和効果について,大気加熱量としての顕熱フラックスを指標として評価を行ったところ,蒸発によるヒートアイランド緩和効果を確認することができた.また,水・熱循環統合モデルにより,保水性セラミックスを屋上に敷設した場合の表面温度などの温度変化および保水性セラミックス中の水分移動を計算し,実測値と整合する結果が得られ,保水性セラミックスを広範囲に敷設した場合の環境影響を適切かつ定量的に評価する足がかりを得た.
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