2012 Fiscal Year Research-status Report
蛍光偏光を用いた感染性を有する水系感染症ウイルスの迅速且つ簡便な新規定量法の開発
Project/Area Number |
24656307
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
白崎 伸隆 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60604692)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ウイルス / カプシドタンパク質 / 蛍光偏光法 / 抗原抗体反応 / 新規ウイルス定量法 / 水系感染症 / 標識化 / MALDI-TOF-MS |
Research Abstract |
病原性ウイルスによる水系感染症の制御には,水中の感染性を有するウイルスの存在を迅速に捉え,感染症拡大前に事前策を講じることが重要である.しかしながら,既存のウイルスの感染力価を評価する手法は,熟練された技術が必要であり,定量に数日間かかるといった問題がある.また,ノロウイルスに代表される培養不可能なウイルスに関しては,人体実験以外に感染力価を評価する手法が確立されていないのが現状である.そこで,本研究では,従来から医学・薬学の分野においてタンパク質間相互作用の評価等に広く用いられている蛍光偏光の原理を応用し,感染性を有する水系感染症ウイルスを迅速且つ簡便に高感度で定量可能な新たなウイルス定量法を開発することを目的とした. 本年度は,ノロウイルスを研究対象とし,ノロウイルスのカプシドタンパク質との反応特異性が最も高いIgG抗体及びIgM抗体を選定した.選定したIgG抗体には,蛍光色素であるFITCを標識化し,FITC標識化IgG抗体を作製した.作製した抗体を蛍光偏光法に用い,使用するマイクロプレートの種類,抗体濃度,反応時間,反応温度といった測定条件の最適化を図った結果,ノロウイルス粒子を30分以内に検出することに成功した.また,従来から広く用いられているELISA法と同等以上の検出感度が得られた.加えて,FITC標識化IgG抗体-ノロウイルス粒子-金コロイド標識化IgM抗体の複合体の形成による検出感度の更なる向上を図るため,選定したIgM抗体をビオチン標識したビオチン化IgM抗体,ビオチンとの高い結合力を有するストレプトアビジンを金コロイドに結合させたストレプトアビジン結合金コロイドを作製した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,ノロウイルスを研究対象に,使用抗体の選定・蛍光標識化,測定条件の最適化に加え,検出感度の高感度に向けた準備にも取り掛かることができたことから,研究計画は順調に進展している.特に,ノロウイルス粒子を30分以内に検出することに成功し,また,従来から広く用いられているELISA法と同等以上の検出感度が得られたことは特筆すべき成果と考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は,当初の計画通り,検出感度の高度化及び多項目同時検出/定量化,環境水及び浄水処理水への適用性の評価を実施する.また,ノロウイルスに加えて,培養可能なポリオウイルスを研究対象とする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし.
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Research Products
(2 results)