2013 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光偏光を用いた感染性を有する水系感染症ウイルスの迅速且つ簡便な新規定量法の開発
Project/Area Number |
24656307
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
白崎 伸隆 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60604692)
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Keywords | 水系感染症 / ノロウイルス / 蛍光偏光法 / カプシドタンパク質 / 抗原抗体反応 / 金コロイド / 3DNA / 複合体 |
Research Abstract |
病原性ウイルスによる水系感染症の制御には,水中の感染性を有するウイルスの存在を迅速に捉え,感染症拡大前に事前策を講じることが重要である.しかしながら,既存のウイルスの感染力価を評価する手法は,熟練された技術が必要であり,定量に数日間かかるといった問題がある.また,ノロウイルスに代表される培養不可能なウイルスに関しては,人体実験以外に感染力価を評価する手法が確立されていないのが現状である.そこで,本研究では,従来から医学・薬学の分野においてタンパク質間相互作用の評価等に広く用いられている蛍光偏光の原理を応用し,感染性を有する水系感染症ウイルスを迅速且つ簡便に高感度で定量可能な新たなウイルス定量法を開発することを目的とした. 本年度は,蛍光偏光法によるノロウイルスのカプシドタンパク質検出の高感度化を図るため,FITC標識化IgG抗体に加え,IgM抗体をビオチン標識したビオチン化IgM抗体,ビオチンとの高い結合力を有するストレプトアビジンを金コロイドに結合させたストレプトアビジン結合金コロイド,更には,ビオチンに対する抗体を結合させた抗ビオチン3DNAを検出・定量に用いることにより,ノロウイルス粒子の見かけ分子量を大きくすることを試みた.その結果,FITC標識化IgG抗体のみをノロウイルス粒子検出に用いた場合に比べ,FITC標識化IgG抗体-ノロウイルス粒子-金コロイド結合IgM抗体の複合体を形成させることにより,幾分検出感度が向上した.また,FITC標識化IgG抗体-ノロウイルス粒子-3DNA結合IgM抗体の複合体を形成させた場合においても同様の傾向が見られた.しかしながら,検出感度の飛躍的な向上は見られなかったことから,FITC標識化IgG抗体のみを蛍光偏光法に用いた場合が最も迅速且つ簡便にノロウイルス粒子を検出できることが明らかとなった.
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Research Products
(3 results)