2012 Fiscal Year Research-status Report
迅速・簡便な生体高分子定量技術の開発とそれを用いた環境微生物生態の解明
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24656309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 秀樹 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70134971)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 核酸定量 |
Research Abstract |
本課題で開発している技術の基礎的知見の収集を行った。蛍光標識オリゴヌクレオチドDNAプローブと人工合成RNAを用いて、まず分子量分画膜の選定を行い、RNAの回収率が70%以上でかつプローブの通過率が99.5%以上を有する分画膜を選定した。次に、反応溶液中 のプローブとRNAの量、反応溶液の組成、反応時間、ろ過方法等の条件の最適化を行った。その結果、反応温度をコントロールすることで、2塩基ミスマッチでも識別可能であることが明らかとなった。この最適化した実験条件により、人工合成RNAによるモデルコミュニティーの定量を行ったところ、既知値と定量値の間に高い相関が示された。また、本手法の高感度化およびハイスループット化を図るため、本手法に適用可能と考えられた蛍光分光光度計、プレートリーダー、バイオイメージャー、シーケンサー、定量PCR装置について妥当性を検討した。このうち、最も高感度であったのは励起光源にレーザーを用いているシーケンサーであった。しかし、シーケンサーを用いると、感度が高い反面、塩基配列によってピークが得られる時間に若干の誤差が生じやすく、今後解析を行っていく際に不都合が生じる可能性が高いと判断された。シーケンサーと同様にレーザーを励起光源に用いているバイオイメージャーは、いかに狭い面積でスポットを行うか等,克服しなければならない問題がいくつか見受けられたため、本手法には適さないと判断された。他の機器についても検討したところ、シーケンサー程の検出感度を有する機器はなかったが、本技術の高感度化およびハイスループット化に向けて最も適当であろうと判断されたのはモノクロメーター式の蛍光プレートリーダーであった。今後はこのプレートリーダーを解析機器をして用い、本手法の高感度化とハイスループット化を図っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
技術の基本的なところを確立することが出来、また、特異性や定量性などについてもデータを得ることが出来ている。また、解析装置としての妥当性をプレートリーダーとシーケンサーで比較し、プレートリーダーで解析を行っていくことを決定できるなど、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
環境サンプルへ適用するための問題点を洗い出し、それらを克服可能なプロトコールや実験条件を最適化し、環境サンプルをハイスループットで解析できるような技術の開発を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
一般試薬やチップ類、合成オリゴヌクレオチドなどの消耗品。 国内学会での成果発表の他、打ち合わせを行うための旅費。 研究補助や論文校閲などの謝金。 会議費や論文投稿料、遺伝子解析などのその他経費。
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