2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656311
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
細見 正明 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90132860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 昭彦 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30434327)
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Keywords | 活性汚泥 / 汚泥減量化 / 高圧ジェット装置 / 微生物損傷 / 微生物菌叢制御 / 原生動物 / 微小後生動物 / 細菌 |
Research Abstract |
排水処理施設から排出される余剰汚泥の減量化を低コストで行える高圧ジェット装置の性能評価とそれに伴う微生物叢の解析を行った。体積1 m3の曝気槽と0.8 m3の沈降槽からなる標準活性汚泥法を模擬したパイロットスケールリアクターを2系立ち上げ、1系には高圧ジェット装置を汚泥返送ラインに接続した実験系、もう1系は装置を設置しない対照系として、実下水の連続通水試験を行った。3ヶ月半の連続運転で余剰汚泥として排出した積算汚泥量は、実験系は対照系の約35%であり、大幅に余剰汚泥を削減することができた。溶存態有機物・窒素化合物の除去性能は、実験系・対照系ともに統計学的有意差は確認されず、高圧ジェット装置を導入した活性汚泥槽での水質の悪化は見られなかった。運転期間中の汚泥フロックの粒度分布変化を確認したところ、対照系では約70 μmから170 μmまでフロックが増大したのに対し、実験系では高圧ジェット装置の影響によりフロックサイズが約50 μmまで減少した。このような活性汚泥のフロックに棲息する真核生物の菌叢評価を実験終了時点で行った。その結果、両系間の真核生物叢は大きく異なることが明らかになった。顕著な違いとして、対照系において真菌が大多数を占めていたのに対し、実験系ではわずかに検出されたのみであった。また、対照系では比較的大型なPlayhelminthesが見られたのに対し、実験系では大型の真核生物はほとんど検出されなかった。顕微鏡観察の結果、実験系ではBodo sp.などの比較的小さな原生動物が、対照系では微小後生動物が主に確認された。高圧ジェットにより活性汚泥フロックの分散化に伴いそれを捕食する真核生物は比較的小さなサイズになることが明らかになった。
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