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2012 Fiscal Year Research-status Report

発現遺伝子の解析に基づく二段階水素発酵-メタン発酵システムの構築

Research Project

Project/Area Number 24656314
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionPrefectural University of Hiroshima

Principal Investigator

西村 和之  県立広島大学, 生命環境学部, 教授 (00261595)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsバイオガス化 / 微生物叢解析 / 機能遺伝子
Research Abstract

平成24年度の研究実内容:(1)ラボスケールの二段階水素発酵-メタン発酵プロセスの連続運転
バイアル実験により、メタン発酵条件の決定と水素発酵条件の決定及び処理対象となる有機性廃棄物の前処理法を検討した。また、仕込み容量10Lの連続発酵装置を構築し広島県東部浄化センターの嫌気性消化汚泥を種汚泥とした連続メタン発酵実験を行った。一方、各種処理条件の決定のためのバイアル実験と連続メタン発酵装置の構築に時間がかかり連続水素発酵装置の構築には至らず次年度の実施課題になった。本内容に関する成果は、次の通りである。
下水処理や各種の有機性廃水処理で発生する余剰汚泥の削減と有効利用を目的とするバイオガス回収プロセスを構築する場合、余剰汚泥の可溶化法として熱処理、熱アルカリ処理と超音波処理をバイアル実験により比較した所、超音波処理が最もメタンガス発生量が多く最適であると考えられた。また、超音波処理時間が長いほどメタン発生量は増加する傾向にあったが、可溶化に要するエネルギー量から見た最適点は存在した。5連続メタン発酵実験では、超音波可溶化処理を行った余剰汚泥と可溶化しない余剰汚泥とではメタン収率が異なり可溶化処理を行った場合に25~30%メタン収率が高かった。
(2)分子生物学的菌叢解析:余剰汚泥と超音波余剰汚泥を処理対象とする連続メタン発酵処理では、16SrDNA をターゲットとするシーケンス解析により取得された微生物叢は、真正細菌、古細菌に係らず多様であり、また、菌叢に大きな違いは認められなかった。なお、本年度導入したDGGE法では、習熟度の関係で十分な解析結果を得るに至らなかった。
一方、上記の通りに連続水素発酵装置の構築が行えなかった事から連続水素発酵における微生物叢の変遷を把握することはできなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

1)H24年度にラボスケールの二段階水素発酵-メタン発酵プロセスを構築し連続運転を行う予定であったが、処理困難物として有効利用が求められている有機性廃棄物の一つである余剰汚泥の発酵処理性を高める為の前処理条件決めに手間取り、水素発酵装置と連結した二段階水素発酵-メタン発酵装置を構築しきれなかった。最終的には最適の前処理条件は見出されたことから、連続メタン発酵装置による実験のみを先行して実施し、安定した連続メタン発酵装置が構築できると共に連続水素発酵装置の組み立ては行えた。
2)先行研究により、水素発酵槽内の細菌叢は大きく変遷することが伺えている。この事から、バイアル試験等の短期間の発酵系では把握できなダイナミックな菌叢の変遷とそこで機能する遺伝子の探索を本研究の目的の一つにしている。上記の通りに連続の水素発酵装置を運転することができなかった事から、この点に関しては成果が得られていない。
3)一方、各種の有機性廃棄物の削減と有効利用を目的とする安定した高効率なバイオガス化プロセスの構築も大きな目的の一つであるが、プロセスの安定化に役立つメタン発酵槽内の菌叢の把握と高効率化の為の前処理法に関する情報は満足すべき結果が得られた。

Strategy for Future Research Activity

1)ラボスケールの二段階水素発酵-メタン発酵プロセスの連続運転:メタン発酵装置は安定して運転を継続しており、前段に位置する連続水素発酵装置の安定した稼働に向けて作業を進めている。本年度は、昨年度に未実施であった2条件の連続発酵運転と本来の2年目の計画にある追加の2条件の内の1条件は実施することを目指す。
2)分子生物学的菌叢解析:当初予定の2段階発酵プロセスを稼働させられれば、当初予定の微生物叢と機能性遺伝子の解析を実施できることから研究目的の達成を目指すことができる。また、本年度の習熟を踏まえ、DGGE法によるメタゲノムの解析を実施する。
3)バッチ試験による各種のプロセス制御因子の評価:バイアル試験は予定通りに行い、有機酸収率、あ発酵温度、pHや負荷量と水素ガスやメタンガス収率との関係を把握する。
4)H26年度:一条件の連続発酵運転は最終年度に持ち越されるものの計画通りに利用し難い未利用バイオマスの高効率なバイオガス回収システムの提案を目指す。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

消耗品費:本研究の主目的である微生物群集解析と発酵槽の運転状態を把握する為に必要な遺伝子抽出キットや培地等の試薬類とプラスチック等の消耗品類として研究費の約90%を使用する。
旅費:現場調査、情報収集や本研究の成果発表のための旅費として研究費の約10%を使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 余剰汚泥の可溶化特性と嫌気UASB処理への適用性評価2013

    • Author(s)
      倉本恵治,松下修司,竹林 賢,霜崎 敏,大橋晶良,西村和之
    • Organizer
      日本水環境学会
    • Place of Presentation
      大阪
    • Year and Date
      20130311-20130313

URL: 

Published: 2014-07-24  

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