2012 Fiscal Year Research-status Report
コンクリートの高性能化を目的とした非空気連行性・内部疎水多孔質粉体の開発
Project/Area Number |
24656318
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
濱 幸雄 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70238054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 嘉彦 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30435987)
新 大軌 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (70431393)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 建築構造・材料 / コンクリート / 高性能化 |
Research Abstract |
1) 非空気連行性・内部疎水粉体の開発 非空気連行性・内部疎水粉体の基材としてのオートクレーブ処理ケイ酸カルシウム水和物(ALC)の配合条件、内部空隙を疎水化するためのシリコーンオイル等の種類,添加率、紫外線を照射などの処理方法が粉体の撥水性およびモルタルへの空気連行性に及ぼす影響を検討した。現段階では、シリーコーンオイルの種類や紫外線処理により粉体表面の親水性および撥水性に変化が見られたものの、本研究で目標としている要求性能を満足する非空気連行性・内部疎水粉体の開発までは至っていない。今後、更なる検討が必要である。 2)撥水性多孔質粉体による空気連行性の有効利用方法の検討 空気連行性に課題のあるフライアッシュおよび収縮低減剤を用いたモルタルに対する撥水性多孔質粉体が有する空気連行性の有効利用の可能性を検討した。通常のAE剤の場合には未燃炭素がAE剤を吸着するために空気連行が困難となるフライアッシュモルタルでは、撥水性多孔質粉体の空気連行性が損なわれることなく耐凍害性向上に有効な気泡の導入が可能であることを確認した。一方、消泡作用を持つ収縮低減剤モルタルの場合には撥水性多孔質粉体で連行した空気泡も消泡される傾向が見られたが、粉体の撥水性の程度と混合率を適切に制御することで耐凍害性向上に寄与する気泡の連行が可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の最大の目標である粉体表面が親水性で空隙内部が疎水性であるハイブリッド性質をもつ撥水性多孔質粉体の開発が、当初想定していたスケジュールで進行していない。しかしながら、今後は粉体基材、処理方法に更なる検討を加えて、非空気連行性・内部疎水粉体の試作をスピードアップし、内部疎水粉体のもつ水の入らない空隙が凍結時の水圧を緩和することで耐凍害性の向上が可能であることと空気量低減による高強度化によるコンクリートの高性能化の可能性を検証していく。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 非空気連行性・内部疎水粉体の開発 非空気連行性・内部疎水粉体の基材として、これまでのオートクレーブ処理ケイ酸カルシウム水和物(ALC)に硬化セメントペースト粉体等も加えて、粉体基材、処理方法に更なる検討を加えて、非空気連行性・内部疎水粉体の試作を行う。 2)非空気連行性・内部疎水粉体を用いたモルタル・コンクリートの基礎性状試験 試作した非空気連行性・内部疎水粉体の粒度分布、混合率を変化させたモルタルおよびコンクリートを作製し、粉体の空隙構造、撥水性、物理的性質、粒度および混入率の違いがモルタル・コンクリートの基礎性状に及ぼす影響を把握する.さらに,本研究の目的である非空気連行性・内部疎水粉体によるコンクリートの高強度化,高耐久化を実現するための最適条件の検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
粉体作製およびモルタル・コンクリート試験体作製のための材料費、型枠、ゲージ、細孔構造測定用の水銀等の薬品類購入のための消耗品費をして1000千円を、成果報告のための学会参加および研究打合せのための旅費として500千円を計上している。また、実験補助のための謝金を50千円、試験体廃棄、論文投稿料等として150千円計上している。
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