2013 Fiscal Year Annual Research Report
高層鋼構造建物のPCa外壁を地震時倒壊限界まで脱落防止する技術への挑戦
Project/Area Number |
24656322
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吹田 啓一郎 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70206374)
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Keywords | カーテンウォール / 変位追従 / プレキャストコンクリート |
Research Abstract |
1年目は,現行の高層建物に使用されるPCaカーテンウォールの変位追従機構について,PCaパネル製造メーカーから情報を収集して広く普及している典型的な取付工法を把握し,また複数の工事現場にて実工事の取付状況について情報収集を行った.この結果に基づき,ロッキング形式の変位追従機構を有するPCaカーテンウォールの構面方向の変形を対象に,変位追従性能の限界と限界後の損傷および脱落に至る過程を検証するための実験を行った.建物の倒壊限界とPCaパネルの脱落限界の関係を明らかにするため最大層間変形1/5までの鉄骨骨組の変形を再現する載荷フレームを用意し,これに横2枚×縦3層の計6枚のパネルを取り付けた試験体により損傷過程を調べた.その結果,変位追従限界の到達,ファスナーのパネル定着部の損傷,パネル同士の接触によるパネルの部分的な破壊と落下が発生し,各損傷の発生時期と層間変形角の関係を定量的に明らかにした.この結果から取付寸法の異なる様々なPCaパネルについて損傷発生を予測する手法を提示した. 最終年度となる2年目は,ロッキング形式のPCaカーテンウォールのパネルに対して面外方向に建物の水平変位が生じたときの変位追従性能について検討を行った.建物骨組の柱の変形により面外方向の層間変位が生じたとき,ファスナー部の変形と損傷を計算により予測し,一般的に振れ止めの山形鋼の面外変形による塑性化が生じることを明らかにした.この分析に基づき,1年目の実験と同じ寸法のパネルに対して面外方向の載荷実験を行い,最大層間変形1/3までの鉄骨骨組の変形を再現してファスナーの損傷を調査した.また層間変形角とファスナーの変形の関係について理論計算と実験値が整合する事を確認した.また,層間変形角1/3までの大変形に対しても,パネル取付部は,破断や抜け出しが生じることなく,骨組に緊結された状態を維持できることを確認した.
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Research Products
(7 results)