2013 Fiscal Year Research-status Report
炭酸塩化反応によるコンクリートの二酸化炭素固定技術の開発
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24656323
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
李 柱国 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (50432737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 栄治 九州産業大学, 工学部, 准教授 (10284267)
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Keywords | コンクリート / 二酸化炭素 / 炭酸塩反応 / アルカリ性 / 固定量 / 力学性能 |
Research Abstract |
本研究は、炭酸塩反応によって二酸化炭素をコンクリートに大量に固定する技術を開発することを目的とするものである。平成25年度では以下の研究を実施した。 1)炭酸ガス気泡を導入した気泡コンクリートの結晶構造を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、試験体中の炭素量およびそれに及ぼす水セメント比、材齢、炭酸ガス気泡量などの影響を調べた。また、X線回折(XRD)で炭酸カルシムおよび水酸化カルシウムの生成量を調査した。なお、TG/DTA(示差熱・熱重量同時測定)によって気泡コンクリートに炭酸塩反応で固定された炭酸ガス量を調べた。これらの調査によって、炭酸塩反応によるコンクリートの二酸化炭素の固定量および影響要因を明らかにした。 2)CO2気泡コンクリートのアルカリ性をPHで評価し、CO2気泡量、水セメント比および養生方法と養生材齢がPHに与える影響を考察した。PHが12以上を確保するための水セメント比の下限と気泡量の上限を明らかにした。 3)CO2気泡コンクリートの密度、圧縮強度と材齢、気泡量との関係を定量的に考察した。 4)炭酸ガスを混入できるコンクリートの攪拌システムを整備した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに、平成25年度に炭酸塩反応によるコンクリートの二酸化炭素の固定量および影響要因を明らかにし、アルカリ性を確保するための水セメント比の下限と気泡量の上限を検討した。また、コンクリートに気泡を導入するための攪拌システムを整備した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初に立てた研究計画に従って、研究を進める。平成26年度にCO2気泡コンクリートの凝結、流動性、力学性能、耐久性および耐火性を詳細に考察する。また、これらの性能に及ぼす水セメント比と炭酸ガス混入量の影響を調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の一部の研究を4年生の卒業研究テーマと設定したため、当初計画した実験とデータ整理のための謝金を使用しなかった。また、アルカリ性の測定用のPHメーターを新規に購入しなかった。応用化学の研究室のものを借用した。 気泡コンクリートの作り方は、二つがある。一つは、コンクリートミキサーに泡を立てた後、ほかの材料投入して気泡コンクリートを作る。二つ目は、発泡機を利用して泡を作ってほかの材料と一緒にミキサーに投入して気泡コンクリートを作る。研究を計画した時に、一番目の方法しか考えなかった。二番目の方法ですると、コンクリートの攪拌システムはシンプルになる利点がある。したがった、次年度使用額は発泡機の購入に使用する予定である。
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