2013 Fiscal Year Annual Research Report
PCMと除湿材を併用した等温除湿空調システムの開発
Project/Area Number |
24656337
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桃井 良尚 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40506870)
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Keywords | デシカント / PCM / 水分ポテンシャル / シリカゲル |
Research Abstract |
本研究では、除湿材とPCM(相変化材料)を併用した等温除湿装置の最適化を行うことを目的としている。そのために、まず、第一段階として、既往のデシカントローターを対象として熱・水蒸気移動現象をシミュレーションできる数値解析モデルの改良を行った。デシカント空調の除湿性能を予測する数値解析手法の研究はいくつか行われており、既往研究において、研究代表者らは、空気・吸着剤間の境膜拡散抵抗だけを考慮するGSR(gas-side resistance) モデルに基づき、 熱・水蒸気輸送に関する基礎式を導出している。しかし、このモデルでは、物理現象を正確に再現するモデルにはなっておらず、実験値に基づいてチューニングが必要であることがわかっている。また、GSRモデルでは、絶対湿度差を水蒸気移動の駆動力として定式化することが多いが、熱と水蒸気が同時に移動するとする水分ポテンシャル差を駆動力とした定式の方が実際の物理現象を正確に表現することができることが指摘されている。そこで、GSRモデルにおいて、これら二つの駆動力( 絶対湿度差と水分ポテンシャル差) による除湿材表面の湿気移動を定式化する。実験結果より、二つの駆動力による各モデルの総括物質移動係数を同定し、比較を行った。また、空気・吸着剤間の境膜拡散抵抗と吸着剤内の水蒸気拡散抵抗の両方を考慮するGSSR(gas and solid-side resistance) モデルによる定式化を行い、GSRモデルとの比較を行った。 さらに、除湿材としてシリカゲルのみを充填した充填槽に通気を行い、充填槽内温湿度分布及びシリカゲル重量の時間変化の測定を行った。また、充填槽内の温湿度変化について、実験結果と比較することにより計算シミュレーションの精度検証を行った上で、PCM を組み込んだ際の効果について予測を行った。
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