2012 Fiscal Year Research-status Report
健康リスク評価の観点から見た室内浮遊真菌のDNA解析による濃度定量法の開発
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24656338
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
長谷川 兼一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (50293494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 伸浩 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (40315619)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 室内浮遊真菌 / 健康リスク / DNA解析 / 捕集法 / 濃度定量法 |
Research Abstract |
本研究は,健康リスク要因としての浮遊真菌をDNA解析技術を用いて定量化する手法を開発することを目的とする。DNA 解析により,従来の培養法では定量できない不活化真菌が検出できるため,健康リスク防除に向けた室内空気清浄度を適切に評価できることが期待される。当該年度は以下の研究項目について取り組み,研究の成果を得た。 (1)既往研究の文献レビュー:最近の欧米諸国を中心とした真菌のDNA 解析手法の開発状況について知見を整理した。 (2)捕集法の構築:室内の浮遊真菌を捕集するために液体捕集法(インピンジャ法)の適用可能性を検討した。吸引量,吸引時間を測定パラメータとして,浮遊真菌捕集に最適な条件を探ったが,インピンジャー法では捕集効率を十分に確保することが難しいことがわかった。インピンジャー法にて捕集効率を向上させるためには,インピンジャーを直列に数台つなぎ,真菌胞子の再放出を防ぐことが有効と考えられるが,そのような測定システムでは現場での計測には向かないことになる。従って,フィルタ法に絞って捕集法を構築すべく準備を開始した。 (3)DNA解析手法の検討:真菌の同定は,リボソームの中の18Sというサブユニットに含まれるDNA配列(18S rDNA)にて可能である。18S rDNAの配列は,既存のDNAデータベースから入手し,当該年度は,Altern aria alternataなどの真菌3種に対するDNA抽出ならびに,PCR用のプライマー設計を行った。今後は,フィルタ法にて採取した真菌を対象としてDNA抽出を行い,設計したPCR条件にて検出できるか検討することになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
室内浮遊真菌の捕集法の構築についてはフィルタ法が適切であるとの判断ができた。また,DNA解析手法については,当初の研究計画の通り,PCR用のプライマー設計までを実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
フィルタ法の測定プロトコールの整備を行うとともに,DNA解析手法を構築する。本研究では,リアルタイム定量PCRを微生物バンクの真菌を用いて定量性を評価する。これらの解析手法を用いて,カビアレルゲン量の定量化の可能性を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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