2013 Fiscal Year Annual Research Report
健康リスク評価の観点から見た室内浮遊真菌のDNA解析による濃度定量法の開発
Project/Area Number |
24656338
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
長谷川 兼一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (50293494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 伸浩 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (40315619)
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Keywords | 室内浮遊真菌 / 健康リスク / DNA解析 / 捕集法 / 濃度定量法 |
Research Abstract |
本研究は,健康リスク要因としての浮遊真菌をDNA解析技術を用いて定量化する手法を開発することを目的とする.DNA解析により,従来の培養法では定量できない不活化真菌が検出できるため,健康リスク防除に向けた室内空気清浄度を適切に評価できることが期待される.本研究ではアレルギー性疾患を引き起こす真菌として,Alternaria alternate,Aspergillus versicolor,Asperigllus fumigatusに着目し検討対象とした. 解析手法の検討では,実験用チャンバーを用い,浮遊させた真菌をメンブランフィルターにより捕集し,捕集後のフィルターを15mlふた付きtubeに入れ,100mM Tris-HCL buffe 5mlを加え攪拌と超音波洗浄を繰り返し,真菌を回収した。処理後は2ml tubeに入れ-20℃で保存した.RealTime-PCR(以下Rt-PCR)を行うに際し,NBRCの配列情報から各真菌の保存性の比較的低いITS variable regon付近を中心にし,プライマー設計を行った. Rt-PCRの実験はLightCycler社製Nanoで行った.熱サイクル条件は95℃10分でProbes Masterを活性化させた後に95℃,20秒でDNAを1本鎖に分離させ,60℃40秒でアニーリングと伸長を交互に45回繰り返した.設計したプライマーでPCRが行えることを確かめた上で,Rt-PCRを行った結果,Al.alternata,As.versicolor,As.fumigatus全てから検出結果を得ることができ,真菌の定性解析が可能であることを明らかにした.しかしながら,真菌のCt値が検量線の範囲から外れたため,定量化には至らなかった.この原因として,捕集真菌から抽出したDNA量が少ないことが考えられ,浮遊真菌の捕集による解析手法では定量化には限界があることが指摘できる.今後の展開として,ダスト捕集による真菌を解析対象とすれば,本研究にて提案したDNA解析手法により定量化が十分に可能であるという知見が得られた.
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