2012 Fiscal Year Research-status Report
気象ゲームと環境設備シミュレーションを取り入れたサステイナブルデザイン演習法
Project/Area Number |
24656339
|
Research Institution | Niigata Institute of Technology |
Principal Investigator |
飯野 秋成 新潟工科大学, 工学部, 教授 (80272706)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 建築設備 / 熱負荷 / サステナブルデザイン |
Research Abstract |
1.The BEST Programを授業の枠組みで利用するにあたり、空調設備と給湯設備の運転をシミュレーションする演習プロセスを構築した。さらに、建物の熱負荷の非定常計算を実施する演習については、実際の環境工学系の授業で試行実施した。これにより、建築と設備の統合シミュレーションを限られた授業時間帯で行うことによって、ゼロエネルギービルディングの概念を理解させる教育ツールの枠組みができた。 2.また、地域の気象データを用いて、その統計解析をさせることによって、その特徴を分析させるプロセスのプロトタイプを作成した。これについては、環境工学系の授業で試行実施した。また、拡張アメダス気象データから必要な情報を選んで抽出し、上記1)の建築物の熱負荷や設備シミュレーションに使うプロセスを理解させる枠組みができており、次年度の実施に向けた準備がほぼ完了している。 3.2012年度「地理情報学」(3年後期選択科目)の授業において、特に地域のポテンシャルを生かした建築計画、都市計画を意識させる必要性を説くため、サウンドスケープ、ヒートアイランド、およびリモートセンシングの概念を、それぞれ3~4コマ(1コマ=90分)の限定した時間帯の中で理解させるための「講義+演習」の枠組みを構築し、半期にわたって試行実施した。毎時間のレポート作成およびポスター作成で評価するものとして、その成果を評価する手法についても検証することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度には、建築物熱負荷と設備運転シミュレーションの教育的枠組みの構築に力点を置いた計画であったが、それ以上に実際の授業での試行ができた点は大きく進展している。 一方で、地域気象の枠組みを理解させるためのプロセスについては、総観規模の気象と局地気象との関係を理解させるプロセスは、一部細かい部分が詰められていない。 以上のとおり、ややアンバランスな進行状況ではあるが、進捗状況は概ね順調と考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.我が国の気象のしくみを演習を通して理解する枠組みづくりを引き続き進める。 2.建築物の熱負荷と設備運転シミュレーションについては、実際の授業で試行していない部分について、今年度後期授業内で実施できるよう、準備を進める。 3.試行の既に終わっているものについては、学生による成果物の分析を進め、演習法としての有効性を検証する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.設備運転シミュレーションを演習させるためのコンピュータを選定し、至急導入する。 2.本学建築学科の今年度後期授業科目である「基礎製図」「地理情報学」「建築CAD演習」の授業の枠組みの中で、サステナブル演習の一部を施行実施し、その有効性を分析する。 3.既に成果の得られた部分については、順次、関連学会への口頭発表を行う。
|