2012 Fiscal Year Research-status Report
大震災後の協調再建による住宅復興のためのビルトアップ・シミュレーションと適用
Project/Area Number |
24656341
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
服部 岑生 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (40009527)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 一弥 東北学院大学, 工学部, 准教授 (00323080)
新井 信幸 東北工業大学, 工学部, 講師 (20552409)
泉 幸甫 日本大学, 生産工学部, 教授 (30626528)
月舘 敏栄 八戸工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50124897)
鈴木 雅之 千葉大学, キャンパス整備企画室, 助教 (90334169)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 震災復興 / 住宅 / 協調再建 / ビルドアップ / シミュレーション |
Research Abstract |
1)社会実験対象地の選定と被災市街地調査:被災地の住宅復興の多くを担当しているUR都市再生機構と連携し、仙台から南三陸にかけて2回の視察を実施した。その結果、対象地として竹浦、三本塚など複数の候補地を選定した。合わせて、被災住民からのヒアリングも実施した。 2)対話型知識データ内臓のビルトアップ・シミュレーション・ツールの開発:敷地の条件からアプローチおよび規模の種類を可変とする住宅類型をベースとし、自力建設を計画する住民個人を対象に、隣地住宅への影響、許容容積率・建蔽率(密度)、地域全体の景観特性と方位の特性などに対する反応、隣地や対向隣地との関係形態や材料の調和、建築協定の可能性、共同あるいは協調再建の可能性などが検討できるシステムの設計をおこなった。 3)建築関係条件の概念整理:建築関係条件を整理するために、仙台および南三陸の仮設住宅に暮らす住民38名に対しインタビューを行い、居住者ニーズ(立地、環境、間取り、共用部分、人間関係)、「潤いのある生活」「地域コミュニティ・高齢者への配慮」「安全・安心」「地域性への配慮」「環境への配慮」「時間の変化への対応」を整理した。また、過去の被災地である玄界島の復興計画をヒアリングし、建築条件に取り入れた。 4)現地社会実験の試行:仙台市三本塚地区において自力更新を目指す住民とともにワークショップ形式での条件整理を行った。その結果、農家・非農家、専業・兼業、従前地再建・移転再建等、の違いによって、立場や意向、課題や関心、取組が異なることが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1)社会実験対象地の選定と被災市街地調査:対象地の選定は、復興住宅建設が相当遅れており、社会実験を建設と並行するには、まだ時期が熟していないので、2ヶ年度目まで待っている状況である。被災市街地調査は、予定通り進んでいる。 2)対話型知識データ内臓のビルトアップ・シミュレーション・ツールの開発:少し遅れている。インタビューやワークショップにより、農家・非農家、専業・兼業、従前地再建・移転再建等、の違いによって、立場や意向、課題や関心、取組が異なることが分かり、当初予定していた汎用性の高いシミュレーションでは、本研究の目的を達成しにくいことが明らかになった。そのため、ツール開発までには至らず、システム設計も含めて再検討しているところである。 3)建築関係条件の概念整理:住民へのインタビュー、事例のヒアリング等を通して建築条件が収集でき、概念整理が進んできている。 4)現地社会実験の試行:現地のワークショップにより今後の実験準備にかかる知見が得られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
ビルトアップ・シミュレーション・ツールの開発については、被災地において進捗しつつあるさまざまな自力再建グループ、協同再建の事例を収集し、ヒアリングすることによって条件を再整理して、ツール開発を推進する。その際に、現地の建築士事務所協会や建築家協会などの協力を得て行うこととする。 社会実験対象地については、複数の候補地があるが、規模や被災後の復興住宅建設の条件が十分でないことが起こることが考えられる。 その場合、共同研究者が具体の自力再建を先行して支援している現場が有り、社会実験の対象地として選択する方向も検討中である。しかし、建設計画の経緯が自力建設の住民主体の計画条件を十分に満たしてない部分があるので、苦慮している。 研究のリスク管理としては、個別自力建設の建設活動と完全に並行する実験でなくなることを容認することで、いずれかの対象地で研究遂行することを考えている。 社会実験時間条件及び計画条件に対応して、ビルトアップ・シミュレーション・ツールの開発とその運用による実験実施となるので、これまでの視察、現地調査の知見を生かしながら判断し、研究を推進する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
インタビュー協力者への謝金:謝金 過去の被災地の復興計画の視察・ヒアリング(奥尻島):旅費 社会実験対象地での調査・ワークショップ等:旅費
|
Research Products
(3 results)