2014 Fiscal Year Annual Research Report
博物館建築がポピュラー文化受容に果たす空間的機能の解明とその設計還元に向けた研究
Project/Area Number |
24656343
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷川 竜一 京都大学, 地域研究統合情報センター, 助教 (10396913)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 千恵 仁愛大学, 人間学部, 准教授 (90397779)
伊藤 遊 京都精華大学, 付置研究所, 研究員 (70449552)
村田 麻里子 関西大学, 社会学部, 准教授 (50411294)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | マンガ / ミュージアム / 博物館建築 / 来館者行動 / 地域振興 / まちづくり |
Outline of Annual Research Achievements |
6月に日本マンガ学会第14回大会において「マンガミュージアム研究の可能性」(学術口頭報告)を行い、マンガミュージアムをメディアとして読み解く方法とその方向性を提案した。次に2014年8月にはマンガミュージアム設立に向けて民間団体が積極的に動いている熊本において、九州各地から関係者を招き、シンポジウム「マンガ文化で熊本を活性化-マンガを活用した民・官・学の取り組み-マンガ文化は地域をいかに変えうるのか?」を行った。100人を超える参加者が集まり、地域におけるマンガミュージアム設立がもつ意義を確認しつつ、箱物重視ではない独特な活動型のマンガミュージアム構想などが議論された。9月には中国上海におけるマンガミュージアムのフィールド調査を行った。 本年度の重要な成果は、2013年度に行った韓国における来館者調査を詳細に分析・類型化し、博物館建築と展示空間が、来館者行動とどのように対応・非対応しているのかを明らかにした点である。成果は共著論文「韓国漫画映像振興院における来館者調査―来館者の物理的・社会文化的・個人的コンテキストをめぐって―」(『人間学研究』Vo.13、仁愛大学、2015年3月)にて発表した。本論文は、本研究で行ったマンガミュージアムに対する空間的特性分析手法の集大成の一つとしての意味をもつ。 一方、昨年度後半と本年度に行った各種インタビューや一般向けシンポジウムを報告書としてまとめ、今後の様々な地域のマンガミュージアムの設立に向けて貢献できるよう発行した(『日本のマンガミュージアム2』京都大学地域研究統合情報センター・ディスカッションペーパー、52号、全122頁)。加えて、京都国際マンガミュージアムにおいてマンガと身体が空間の可能性をいかに引き出しているのかという点に焦点を絞り、来館者トラッキングブックを作成し、設計のためのヒント集となる雛形を作成した。
|