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2012 Fiscal Year Research-status Report

想定外被害低減のための住民啓発に向けた簡易型避難シミュレーションシステムの開発

Research Project

Project/Area Number 24656347
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

横田 隆司  大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20182694)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords避難 / シミュレーション / 人間行動
Research Abstract

平成24年度は,大震災時の避難行動をシミュレートする新しいシミュレーションシステムの構築のための基礎研究として下記の内容の研究を遂行した。
(1)平成23年度中に収集した避難行動のモデル化:既に様々なメディアにおいて公開されている避難行動の実態に関する文献資料および我々が独自に収集したデータを整理し,モデル化を行った。加えて,a)高齢者・障がい者の行動(そもそも避難行動を取れない人々の課題),b)子供の行動(成人とは異なる状況下での避難行動),c)車避難での課題(車避難の成功例と失敗例の比較)の3点も重点的に考察した。
(2)シミュレーションシステムを開発し,パイロットモデルを実行した。設備としてパイロットシステムの開発のために安価なシミュレーションシステム(artisoc)を購入し,当該システム上の人間行動の基礎的なシミュレーションが実行可能であることを確認した。
(3)地区データの整備:生活に必要な施設,例えば商業店舗,各種公共施設などの地区データを収集した。もちろん,被災地ではそれらの施設が被災して仮設として再開している事例も多々ある。それらは,地図作成メーカーが順次出版する予定である住宅地図を用いてデータ整備を試行した。
以上のことから,1年目の研究内容をほぼ遂行することができたと判断される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の1年目は,シミュレーションシステムのパイロットモデルの構築とシミュレーションのためのデータ整備が主たる研究内容であった。これらの申請時に記載した1年目の内容をほぼ遂行したことから,本研究はおおむね順調に進展しているものと考える。

Strategy for Future Research Activity

平成25年度においては,以下の2点を重点的に進める予定である。
(1)システムの拡充:平成24年度において構築したパイロットシステムを拡充し,さまざまな地区特性を有する地域に適用し,その状况を考察する。とくに想定外の状况になったケースの柔軟な対応策を検証できるようにシステムを拡充する。その際には,津波被害MAP(日本地理学会作成)のデータをGISの標高データを取り入れた3Dソフト上に表現して住民サイドでも充分利用ができるように拡充できるように改良する。
(2)住民への啓発の可能性検証:平成25年度も,資料収集活動とシステム開発作業を平行して進める予定であるが,主として住民への説明がより効果的な簡易型のプレゼンテーション手法を開発することを考えている。その際にシミュレーションシステムおよびその結果を住民へ実際に提示した結果を検証する。その際には,大人と子供の対応の違いを探ることも重要と考える。今回の震災においても,大人が議論していて津波に巻き込まれ児童が多数亡くなった大川小学校の事例もあれば,児童がさっさと裏山奥まで避難してほぼ全員が無事であった釜石東小学校の事例もある。こうした教育効果への貢献の可能性を示すことができれば,さらにより良いと考える。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度は今年度と同様の支出予定を考えている。すなわち,シミュレーション機器の充実としてコンピュータをwindows8の最新機器に更新することが設備費としての主な支出項目となる。さらに今年度と同様,東北地方への視察あるいは学会での発表のための旅費が主たる経費として予定している。したがって,いずれの項目も突出した割合を示すことなく,通常の研究過程で生じる調査や研究発表のための旅費,資料整理のための謝金,シミュレーション結果出力のためのプリンタートナー代・資料代などの消耗品費等,必要最低限の研究経費を計上したものである。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 東日本大震災における子どもの作文・手記からみた地震発生後の避難行動に関する研究2012

    • Author(s)
      横田隆司ほか3名
    • Journal Title

      日本建築学会近畿支部研究報告集

      Volume: 52 Pages: 69-72

  • [Presentation] 東日本大震災における子どもの作文・手記からみた地震発生後の避難行動に関する研究2012

    • Author(s)
      横田隆司ほか3名
    • Organizer
      日本建築学会大会
    • Place of Presentation
      名古屋大学
    • Year and Date
      20120912-20120914

URL: 

Published: 2014-07-24  

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