2013 Fiscal Year Research-status Report
非制度依存型地域ケア施設の継続的実践分析に基づく地域生活支援システム・環境の構築
Project/Area Number |
24656350
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
竹宮 健司 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (70295476)
|
Keywords | 非制度依存 / 地域ケア施設 / 宅老所 / 緩和ケア有床診療所 / がんサロン / 相談支援施設 / 重症心身障がい児者レスパイトケア施設 |
Research Abstract |
本研究は,高齢者福祉,がん医療,障害者福祉の分野において,制度に依存せず独自の支援活動を行っている施設を非制度依存型地域ケア施設と捉え,同施設の実践状況を長期間に亘り継続的に把握し,在宅での生活を基盤とするこれからの地域生活支援システムとそのケア施設の環境のあり方を明らかにすることを目的としている.本年度は,非制度依存型地域ケア施設と定義した以下の施設を対象として,施設運営・施設利用実態調査を実施した. 1)高齢者福祉の分野では,愛媛県の託老所を対象として同施設の開設時からの16年間の運営・利用の変遷を実証的に明らかにした.また,同施設において季節毎の施設内空間利用実態調査を行い,古民家の空間構成の有用性について検討を行った. 2)緩和ケアを提供する有床診療所の運営状況や施設環境を横断的に把握するため,全国アンケート調査を実施し,その傾向を分析した.また,全国9施設の有床診療所を対象に訪問ヒアリング調査を実施し,詳細な施設運営・計画に関する検討を行った. 3)がん医療における相談支援施設については,全国のがんサロンの施設分布,施設概要に関する資料収集調査を実施した.また,全国6施設のがん診療連携拠点病院を対象に訪問ヒアリング調査を実施し,各施設の相談支援環境の構成や相談支援体制に関する詳細な検討を行った.さらに,病院外に設置された相談支援施設の利用特性に関する実態調査を実施した. 4)重症障がい児者レスパイトケア施設については,重症心身障害児者通所施設(4施設)ならびに先進的レスパイトケア施設(7施設)の訪問ヒアリング調査を実施した.また,人工呼吸器装着児の受入を行っているレスパイトケア施設において施設空間利用実態調査を実施し,同施設の施設計画要件について検討した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,昨年度に引き続き,宅老所,緩和ケア有床診療所,がんサロン,重症障がい児者レスパイトケア施設において,①利用者属性調査,②施設空間構成・設備実測調査,③施設スタッフへのヒアリング調査,が完了した.一部の施設ついては,④施設利用実態調査(非参与型観察調査)を実施した.研究成果は,日本建築学会等で口頭発表を行うとともに学術論文として投稿した.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,上記4施設について,さらに対象を広げると共に,継続的な実地調査を行い,多角的・横断的な分析を行う.この分析結果を調査対象施設に報告し,実践者と共に今後の地域生活支援施設に向けた包括的な討議を行い,本研究の総合的な提言をまとめる予定である.
|
Research Products
(7 results)