2013 Fiscal Year Annual Research Report
アジアの歴史的観光都市における町家(ショップハウス)のファサードデザイン
Project/Area Number |
24656356
|
Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
奥田 紫乃 同志社女子大学, 生活科学部, 准教授 (60352035)
|
Keywords | 景観・環境計画 / 街並み / 主観評価実験 / 景観色彩 / アジア / ショップハウス / 地域性 |
Research Abstract |
評価者の出身地が、歴史的観光都市における町家の外観がサードの好ましさにどのように影響するのかを明らかにすることを目的とし、これまでに国内の京都・高山で実施した主観評価実験データを詳細に分析・検討を行った。分析・考察においては、国内外の学会における関連発表研究より情報収集を行った。その結果、町家が立ち並ぶ歴史的都市では、適度に内部の様子がわかり、適度に外部の視線が遮られ、落ち着きやすさ及び地域らしさが感じられる外観ファサードが好ましいという評価傾向は、いずれの地域においても概ね共通しているが、地域らしさ(地域性)やふさわしさ(適性)においては両地域において評価に有意差が見られたことから、居住者が自身の街並みを形成する町家ファサードデザインの特性を理解し、地域にふさわしいデザインを好む傾向が示された。 また、前年度に実施したアジア人による京町家の外観ファサード実験について、アジア人被験者を追加して実験結果の分析を行った。その結果、アジア人被験者による町家カフェファサードの評価においても、日本人被験者と同様に、格子の密度や植栽の量、暖簾の有無などのファサード構成要素が評価に影響することが示された。また、「落ち着きやすさ」においては、開口率が45%を超える条件において、日本人被験者が「やや落ち着きにくい」以下の評価であったのに対し、アジア人被験者は「やや落ち着きやすい」を超える評価も得られ、評価後のヒアリング結果を勘案すると、外部の視線に対して日本人よりも寛容であると推察される。「好ましさ」においては、日本人被験者においては、開口率の大小がファサードの好ましさに大きな影響を及ぼすが、アジア人被験者においては、開口率に加え植栽の量や暖簾の有無などの構成要素もファサードの好ましさに大きな影響を与えることが示唆された。
|
Research Products
(4 results)