2013 Fiscal Year Research-status Report
発達障害児の特性と運動アセスメントに基づく感覚的空間認識の為の環境整備手法の構築
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24656357
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
田中 直人 島根大学, 総合理工学研究科, 特任教授 (60248169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 三千子 摂南大学, 理工学部, 教授 (70288968)
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Keywords | 発達障害児 / 空間認識 / 運動アセスメント / TEACCH / 行動特性 |
Research Abstract |
1.昨年度実施した、発達障害児を育てる保護者が感じる困難さに関する調査結果をまとめることにより、日常生活における発達障害児の行動傾向と保護者が感じる困難さの状況を把握した。その成果を日本福祉のまちづくり学会の第16回全国大会にて発表を行った。 2.本研究の核となるAssessment battery(M-ABC)についての資料収集を行い、本研究で使用する評価指標の作成を行った。これら作成した指標を基に、発達障害児及びその保護者を対象とした、色イメージ・空間認識実験を実施した。現在、M-ABCの視点による分析・取りまとめを行っている。 3.各療育施設での取り組み・課題を把握・整理する為、関西に立地する児童発達支援センター・児童発達支援事業所を中心に施設職員へのヒアリング調査を含めた現地調査を実施した。この調査により、建築などの施設整備基準には記載されていない、必要な整備事項及び施設を運営する上での建築・環境整備的な課題についての貴重な意見を収集することができた。 4.上記1~3に関連して、発達障害児に関連する保育施設において、環境デザイン上の工夫や改善内容を把握するため、デンマークにおける施設を訪問した。そこで保育上の配慮や施設整備上の配慮事項等についてヒアリングし、現場を視察し関連事項を確認した。【訪問施設】Børnehuset Troldemosen:住所Bank-Mikkelsens Vej 23 2820 Gentofte
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.本研究において最も困難と思われていた発達障害児とその保護者を対象とした色イメージ・空間認識実験について、当初予定していた研究協力機関に加え、本研究の趣旨・意義に賛同頂けた親の会やNPO法人に協力頂けた。これにより、懸念していた実験場所に加え、本研究で対象としているターゲット属性に該当する被験者への協力依頼・実験実施を順調に行うことができた。 2.各協力団体から積極的な情報提供を受ける事ができた為、基礎資料に加え、発達障害に関する最新の状況を入手することができた。 3.国内の施設へのヒアリング調査においても、一部の施設を除いては積極的に調査に協力していただいた。調査時において依頼した関連する資料の提供や調査シートへの記入など、貴重な情報やデータを提供していただいた。 4.調査の結果については、学会等での発表を行ったが、昨年度に引き続き、次年度においてもさらなる発表に向けて、分析まとめを行い、査読中1編、投稿中1編(査読)、投稿予定3編(査読2編)である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査により得られたデータを基に分析・考察を進め、各関連学会へ成果発表を行う。 これまで施設に関する調査は関西に立地する施設を中心に行ってきたが、今後は他地域に立地する施設についても調査を行い、立地特性を考慮した施設内外における環境・療育などの実施状況などについて比較考察を進める。 それに加え、発達障害に関する施設の最新の取組状況を把握する為、海外事例についても資料収集を行う。これらを基に国内外の比較により、生活環境整備の課題を見出す。 その他、発達障害に関して各学会が主催するシンポジウム・セミナー等に積極的に参加し、本研究の目的の1つである建築以外の研究分野の研究者を含めた幅広い分野間での研究協力体制の構築に努める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画していた海外視察において、予定施設の都合により次年度に持ちこされたため。 次年度使用可能額は、¥1,203,690.-となる。 使用計画内訳は、国内旅費として、打合せ費用¥50,000、成果発表2回で¥100,000、施設調査費として¥100,000をあてる。海外旅費として、アメリカ視察¥250,000、デンマーク視察¥300,000で計画する。 他に、研究補助費として、@7500×2人×15日で¥225,000、学会等への成果投稿論文の翻訳にかかる費用¥50,000、会議費、通信費、原稿投稿料に¥128,690とする計画である。
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Research Products
(3 results)