2014 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児の特性と運動アセスメントに基づく感覚的空間認識の為の環境整備手法の構築
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24656357
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
田中 直人 島根大学, 総合理工学研究科, 特任教授 (60248169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 三千子 摂南大学, 理工学部, 教授 (70288968)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 発達障害児 / 日常生活の困難さ / 環境刺激 / 衝動的反応 / 色イメージ / アセスメントバッテリー / 空間認知特性 / 生活環境整備 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に発達障害児を対象に実施した色嗜好・イメージ実験及び保護者を対象に実施したM-ABC(セクション5)評価(行動観察評価)結果を基に、医療・療育分野で用いられている運動アセスメントから発達障害児の色嗜好・イメージ傾向を予測可能な判別式を算出した。これにより、療育者・保護者などによる行動観察評価結果から発達障害児個々の特性を考慮した色彩環境設計を可能にした。 又、空間の再現実験結果のプロセス分析から、①発達障害児の室内環境事物の認知は特徴の異なる「領域優位型(ライン沿い型・面展開型)と「事物優位型」の3つに分かれること②透視図内で奥行きを示す奥に向かうラインは斜め線として認識される傾向が強く、2次元(奥行の無い)の絵として認識される傾向がある など、発達障害児の空間認知の特性を明らかにした。 上記に加え、発達障害児の衝動的な反応を誘発する環境刺激の質的特長に着目した因子分析結果から、衝動的反応を誘発する7つの環境刺激因子(第1因子:不意に発生・変化する直接的刺激、第2因子:不安定・変化刺激、第3因子:特定の音色による聴覚刺激、第4因子:反響を伴う聴覚刺激、第5因子:皮膚刺激、第6因子:皮膚への付着性刺激、第7因子:一定物内の異物刺激)を抽出した。これにより、これまでの五感に基づく刺激分類ではなく各感覚を横断的に捉えた環境刺激の質的特徴から、具体的な生活環境整備の手法を見出した。 以上の結果を基に、現在のTEACCHに基づく支援に加え、特に児童発達支援センター・児童発達支援事業所など、発達障害児の支援施設において必要な生活環境整備に関して、より建築的且つ総合的な6つの視点(①空間形態②視覚支援と空間形態の対応⑥安全対策④個別的身体特性とその変化への対応⑤温熱環境への対応⑥美しさを持った豊かな子ども環境の創造)を含めた整備手法を提案した。
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Research Products
(8 results)