2013 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理計算に基づく高イオン伝導結晶のアーキテクチャ
Project/Area Number |
24656370
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 功 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70183861)
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Keywords | 第一原理計算 / 高イオン伝導結晶 / 酸化物固溶体 / 統計熱力学 / 分子動力学法 |
Research Abstract |
本研究では,大規模計算によって,高イオン導電結晶を系統的に探索することを究極の目的として,必要な方法論の開発を行った.前年度に引き続き,ホタル石構造を基本とする酸化物結晶を対象とし方法論の開発を行った.具体的には,希土類元素を固溶させたBi2O3擬二元系10種類について,多数の高精度第一原理計算を多重実行し,クラスター展開法の概念に基づいて酸化物イオン副格子における空孔配列のエネルギーを評価し,最安定構造の探索を行った.さらに,不規則構造のエネルギーを評価することにより,規則不規則転移温度を評価した.その結果,イオン伝導度と規則不規則転移温度との相関から,高イオン伝導度が期待される希土類元素を予測した.さらに,第一原理動力学計算を行い,有限温度における平均構造を求め,酸化物イオン伝導をシミュレーションした. また,同様の方法を逆ホタル石構造のLi2OをベースとしたLISICON系複合酸化物におけるリチウムイオン伝導に適用した.具体的には,網羅的に第一原理分子動力学計算を行い,高温における拡散係数を評価した.また,クラスター展開法の概念に基づいて,多数の第一原理計算を多重実行し,複合酸化物の最安定原子配列および不規則エネルギーを決定した.これらをもとに,Li副格子における規則不規則転移温度を評価した.さらに,これらの網羅的計算の結果から,機械学習手法の一つであるサポートベクター回帰手法を用いることにより,イオン伝導度の実験のない複合酸化物におけるイオン伝導度を予測した.その結果,従来の最大値の5倍のイオン伝導度を持つLISOCON系複合酸化物が予測された.
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Research Products
(2 results)