2012 Fiscal Year Research-status Report
ナノ空間を利用した機能性プリンタブル透明シリカガラスの開発
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24656388
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤野 茂 九州大学, 産学連携センター, 教授 (10304833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木田 徹也 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (70363421)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | メソポーラス / シリカガラス |
Research Abstract |
光通信,光記録,光情報機器,光医療機器等をはじめとする光・電子デバイスの創製には材料のナノ構造制御とそれを利用した高機能化技術が重要となる。シリカガラスは他の材料と比較して、低膨張性,耐熱性,耐薬品性、真空紫外~赤外域の光透過率が良いことから、導電性金属をガラスの内部あるいは表面へ自由自在に描画することができれば、各種透明導電性材料、光特性を組み合わせた光・電子センサー材料等幅広い応用分野の基盤材料として期待される。初年度では、出発原料であるフュームドシリカの粒子径とポリビニルアルコールの重合度、組成比,pH等の製造プロセスを変化させたSiO2-PVAナノコンポジットを得た。ナノコンポジットの特性として、比表面積、細孔分布、空隙率を測定した。また、導電性ナノ結晶としてGaドープZnOを合成した。金属源として亜鉛とガリウムのアセチルアセトン塩を、溶媒兼界面活性剤としてオレイルアミンを用いた。酸素源としてはヘキサデカンジオールを使用した。三口フラスコに原料を入れ、真空にして空気を除去した後、アルゴンを流通させ、220度の加熱によってナノ結晶を合成した。合成したナノ結晶のサイズは10nmであり、ヘキサン等の非極性有機溶媒に安定に分散できるものが得られた。またXRD測定により得られたナノ結晶が良好な結晶性を有していることが確認できた。今後、本ナノ粒子をガラス前駆体表面にコーティングする条件について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的はSiO2-PVAナノコンポジット材料内部のナノ空間を利用して、導電性ナノインクを透明材料表面上あるいは内部へと任意の場所へ描画し、焼結することで、これまでにない新しいプリンタブル機能性材料の開発を行うことである。初年度はSiO2-PVAナノコンポジットを種々の条件で作製し、特性評価を行った。また、導電性ナノ結晶としてGaドープZnOを合成することに成功した。導電性インクを滴下するインクジェット装置については連携研究者と試作品を作製した。従って、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
SiO2-PVAナノコンポジット材料内部のメソポーラス空間内あるいは表面上へ、初年度合成した導電性GaドープZnO結晶をコーティングし、導電性、SEM、TEMを用いたナノ構造の解明を行う。更に、コンポジット体を大気中、焼結することで透明導電ガラス体の開発を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度では材料製造設備、評価装置は現有の装置で整っているため、設備備品の申請は無い。主として試料調製のための試薬や分析器具、分析費用等必要とする。また、学会参加・発表のための旅費を使用する。
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