2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656391
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
忠永 清治 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90244657)
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Keywords | 水酸化物イオン伝導体 / 電気化学的酸素分離 / 層状複水酸化物 |
Research Abstract |
これまでに、酸化物イオン伝導体を用いた膜分離法による酸素製造が広く研究されているが、低温作動化が新たな課題となっている。一方、我々はこれまでに層状複水酸化物(LDH)の電気化学的特性に着目し、層間に炭酸イオンを含むLDHが固体でありながら、室温・加湿下で高い水酸化物イオン伝導性を示すことを見出している。 本研究では、水酸化物イオン伝導体であるLDHを用いた新規な酸素分離膜を実現するための第一段階として、LDHを電解質として用いた電気化学的な酸素分離を試みた。 電気化学的な酸素分離用セルには、層間に炭酸イオンを含むNi-Fe 系LDHを電解質として用いた。電解質としてLDH粉末をプレス成型したペレットを用い、その両側に電極触媒Pt/Cを含む触媒層を形成した。片側に加湿空気、反対側に加湿したアルゴンを供給し、一定時間の電流を流した後のアルゴン側の透過気体をガスクロマトグラフィーによって分析することで分離された酸素の濃度を確認した。 50℃、相対湿度70%において電流密度を変化させた場合、酸素透過量が電流密度に依存して増大することが確認され、30mA/cm2の電流を流したときに3μmol/min cm2の酸素発生が確認された。したがって、水酸化物イオン伝導性無機固体であるLDHを電解質として用いた電気化学的酸素分離が可能であることが確認できた。 酸素分離の効率をより大きくするために、酸素還元および酸素発生用触媒の検討、触媒層におけるイオン伝導パスを形成するための水酸化物イオン伝導体の探索を行った。その結果、α-MnO2を触媒に用いたとき比較的大きな酸素還元電流、酸素発生電流が流れることがわかった。また、Niの一部をMnに置換したNi-Mn-Fe系LDHを酸素還元側の触媒層に加えたときに大きな還元電流が流れることがわかった。
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Research Products
(3 results)