2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656393
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
南 秀人 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20283872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 登代子 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助手 (40314504)
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Keywords | イオン液体 / 体積相転移ゲル / 自立型ゲル粒子 / 温度応答性挙動 / ラズベリー状粒子構造体 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度に選択されたベースポリマーとイオン液体からなる体積相転移ゲルとリザーバーポリマーとの複合化を行い,自立型ゲル粒子の作製とその温度応答性挙動の検討を行った。 溶剤としてイオン液体を含有した体積相転移ゲル粒子をシードとして,リザーバーポリマーのシード重合を行った。ポリマー相をより凸に相分離させるために,より親水性の高いポリマー相がイオン液体を含有したゲル粒子を作製する熱力学的アプローチと,通常の熱重合よりも重合速度の大きい光重合の導入を試みる速度論的アプローチを併せて行った系において,両粒子があたかも雪だるまのように点接着するような状態で複合化された。さらにこの雪だるま状粒子は,水分散状態,及び乾燥状態(大気中,真空中)においても,温度に応じてイオン液体が両ポリマー相を行き来し,その形状を変形させ,本研究で目的とした自立型刺激応答性ゲル粒子が作製されたことを確認した。 また,体積相転移ゲル粒子自体を粒子型乳化剤として膨潤溶媒(例えばイオン液体)を安定化させたPickeringエマルション型(ラズベリー状)フリースタンディングゲル粒子について検討した。まず大きさの揃った体積相転移ゲル粒子を懸濁重合を用いて作製した。続いて,それらによって安定化されたIL滴のピッカリングエマルションの作製をホモジナイザーを用いて試みたが,ILと親和性が高いゲル収縮粒子は滴内に取り込まれてしまった。検討を繰り返した結果,ILを系中に少しずつ添加していくことで,安定なピッカリングエマルションが形成された。表面を被覆するゲル粒子が加えたILを全て吸収できるような添加量の設定を行ったが,ゲル粒子がILを吸収した量は非常にわずかであった。ゲル粒子単独では温度に応じてILを吸収/放出することを確認しているので,ピッカリング状にしたときの膨潤挙動について,更に詳細を検討する必要性が明らかとなった。
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