2013 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡プロセスによる超軽量・高耐食性多目的Ti-Mg合金の創製
Project/Area Number |
24656401
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新家 光雄 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50126942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲井 正昭 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (20431603)
稗田 純子 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (40566717)
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Keywords | チタン-マグネシウム合金 / 直流マグネトロンスパッタ法 / 耐食性 / 生体適合性 |
Research Abstract |
航空機等の大型輸送機器や埋め込み型生体器具への適用を目指して,合金状態図において固溶相を持たず,高温での溶解プロセスでは合金化できないチタン(Ti)(軽量・高耐食性金属材料)とマグネシウム(Mg)(実用金属材料中,最も比重が小さい金属材料)を非平衡プロセスを用いることにより合金化し,その合金の基礎的な材料特性を明らかにすることを本研究の目的とした.直流マグネトロンスパッタ法を用いて,Ti-Mg合金薄膜を作製し,生体適合性金属材料としての応用を考慮した特性評価(耐食性および生体適合性評価)を行った.ガラスあるいはシリコン (Si) (100) 基板上に,直流マグネトロンスパッタ法により,Ti-xMg (x=0, 17, 33, 55, 100) (mass%) 合金薄膜を作製した.本研究において作製したTi薄膜は (002) 配向であり,Ti-17MgおよびTi-33Mg合金薄膜では,XRDパターンにおいて(100)および(101)のピークがみられた.また,Ti-55Mg合金薄膜およびMg薄膜は(002)配向であった.これらのTi-Mg合金薄膜を310 K (ヒトの体温相当)の生理食塩水に7日間浸漬した場合,すべての組成のTi-Mg合金薄膜において,Tiの溶出量はほぼICPの検出限界以下であった.Ti-17MgおよびTi-33Mg合金薄膜では微量のMgの溶出が見られ,Mgの溶出量はTi-55Mg合金薄膜およびMg薄膜において大幅に増加した.これらの結果から,本研究で作製したTi-Mg合金薄膜では,金属アレルギーの原因となるTiは溶出せず,Mgのみ溶出することがわかった.さらに,310 KのHanks溶液への浸漬を行い,骨の無機成分であるリン酸カルシウムの析出の有無を調査・検討した。その結果,Ti-33Mg合金薄膜において,合金薄膜上にリン酸カルシウムが析出した.
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