2013 Fiscal Year Annual Research Report
高効率熱磁発電へ向けた異常ネルンスト効果の萌芽研究
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24656402
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
桜庭 裕弥 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (10451618)
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Keywords | 熱電変換 / 異常ネルンスト効果 / ホイスラー合金 |
Research Abstract |
より大きな異常ネルンスト係数を有する材料を探索するために、フェルミ準位を元素置換によって容易に変化させることができるホイスラー合金系材料Co2Mn(Al,Si) (CMAS)系や、Feへの重元素ドープなどを試みた。CMAS系においては、Al/Siの比率xを0から1まで系統的に変化させた単結晶薄膜を用意し、その構造、磁化、異常ホール効果、異常ネルンスト効果を系統的に評価した。Co2MnSi (x = 1)は理論的にも従来の実験においても下向きスピン電子状態にのみエネルギーギャップを有するハーフメタルであることが示されており、一方でCo2MnAl (x = 0)ではフェルミ準位がハーフメタルギャップの価電子帯端を横切ることが予測されている。理論予測によれば、この電子構造の違いが起因し、Co2MnAlではCo2MnSiよりも一桁大きな異常ホール伝導度が得られることが予測されいてる。本研究では作製した試料の異常ホール効果を観測し、理論予測通り、x = 0 - 0.2 で異常ホール抵抗率が急激に増大する結果を得た。さらにこれらの試料では異常ネルンスト効果にも著しい増大が観測され、微量の元素ドープによるわずかなフェルミ準位の位置制御によって異常ネルンスト角の大きさは2倍以上にも増大可能であることが明瞭に確認された。
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