2013 Fiscal Year Annual Research Report
高分子系ポーラス体を用いた衝撃変形応答の可視化によるエネルギー吸収能改善
Project/Area Number |
24656412
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
向井 敏司 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40254429)
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Keywords | 構造・機能材料 / ポーラス材料 / 高速変形可視化 / 衝撃エネルギー吸収 |
Research Abstract |
(1) PMMAポーラス体の衝撃試験と変形応答の可視化: 貫通孔を2個、4個、9個設けた試験片について、衝撃圧縮荷重を作用させた場合の変形応答を調査した。貫通孔2個の試験片についてシャドーグラフ法を用いて変形の様子を観察したところ、変形にともなう膨張箇所で影が発生し、試験片内部を高速で伝ぱすることを確認した。また、変形初期には孔周辺で応力集中に対応した影の大きさが左右交互で除々に大きくなり、変形後期には左右の影領域がほぼ同等の比率で拡大した。すなわち、変形初期には応力波の伝ぱと端面からの反射波が重積し、試験片内部のひずみは不均一に増大するが、変形とともに比較的均一な変形へ遷移することがわかった。 (2) PMMAポーラス体の衝撃変形シミュレーション: 貫通孔2個、4個、9個を設けたポーラス体モデルについて、FEMシミュレーションを実施した。その結果、圧縮軸に対して垂直方向の貫通孔端部にて応力集中を生じ、破壊の発生点となることがわかった。また、貫通孔の体積率を同一にしたポーラス体について、破壊に至るまでの塑性変形エネルギーを評価したところ、圧縮軸に対して垂直に孔を2個設けたポーラス体で最も低いエネルギーを示す結果を得た。 (3) 実験および解析結果の検証と整理: 衝撃圧縮試験により可視化されたひずみ分布ならびに応力集中箇所はシミュレーション結果と良い一致を示したことから、シミュレーションの妥当性を確認した。また、実験ならびにシミュレーション結果を基に評価したエネルギー吸収量および応力値から、孔の体積率が同一であっても、応力集中箇所の分散状態に依存してエネルギー吸収量は変化することがわかった。他方、ポーラス体と同様に衝撃エネルギー吸収が期待されるマグネシウム円管について、衝撃試験およびシミュレーションを実施した結果、集合組織の低減により、衝撃エネルギー吸収量が増大する結果を得た。
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Research Products
(4 results)