2013 Fiscal Year Annual Research Report
光照射による機能切換が可能な金属製生体材料表面の創製
Project/Area Number |
24656420
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
上田 正人 関西大学, 化学生命工学部, 准教授 (40362660)
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Keywords | 生体材料 / 機能切換え / 光照射 |
Research Abstract |
純Zrに0.7 M H3PO4 水溶液中で,直流電源を用いて30 V印加し,陽極酸化処理を施した。引き続き,テフロン容器中で1 M NH3水溶液に浸漬し,180 ℃-12 hの水熱処理を施した。一部の試料は,大気中で400 ℃-1 h, 5 hの熱処理を施した。陽極酸化処理後,表面生成物のXRDプロファイルには,単斜晶ZrO2,正方晶ZrO2のピークが確認された。水熱処理を施すと単斜晶の回折ピークのみシャープになった。熱処理を施すと,さらに単斜晶のピークがシャープになり,結晶性が向上した。このZrO2膜にHanks溶液中で紫外光を照射すると明瞭に光電流が発生した。光応答性を有しているが,光電流の大きさはTiO2のそれに比べ,1/10~1/100程度であった。純Zr表面に湿式合成したZrO2膜表面のアパタイト形成能は,熱処理や光照射に敏感ではなかった。一方,純Ti表面に湿式合成したTiO2膜では,熱処理によって表面の水酸基密度を低下させることができた。逆に,紫外光を予備照射することで擬似体液中でのアパタイト析出を促進することもできた。これは,生体活性の回復に相当する。また,熱処理によって結晶性を高めたTiO2では,紫外光の連続照射によって,擬似体液中でのアパタイト形成が完全に抑制された。これは表面の帯電状態を制御できる可能性を示している。このように湿式合成されたTiO2では,熱処理を最適化することにより,光照射を機能切換えのトリガーとして利用できることが示唆された。
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Research Products
(4 results)