2013 Fiscal Year Annual Research Report
巨大擬似単結晶超弾性合金の作製と結晶粒成長機構の解明
Project/Area Number |
24656426
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 清仁 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (20151368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沼 郁雄 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20250714)
大森 俊洋 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60451530)
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Keywords | 結晶粒成長 / Cu基形状記憶合金 / 熱処理 / 異常粒成長 / 繰り返し熱処理 / 亜結晶粒 |
Research Abstract |
Cu-Al-Mn合金の粒成長に及ぼす熱処理効果を明らかにするために、正常粒成長挙動及び β(bcc)相とα(fcc)相の相変態を利用した繰返し熱処理を行い次の結果が得られた。 1.800℃と900℃における正常粒成長を板材を用いて調査した。いずれも熱処理時間が長くなるにつれ三次元的成長から遷移期を経て二次元的成長に変化した。900℃における三次元成長での粒成長指数は約6.5であり、種々の合金よりも比較的大きな値であった。この原因として試料表面付近の不純物粒子により結晶粒界のピンニングや試料表面の凹凸による粒界易動度の低下が考えられた。 2.効率的に異常粒成長を発現させるために、溶体化後に500℃以下まで徐冷しα相を析出させた後900℃以上に加熱、再度溶体化し保持する熱処理を行なえばよい事が明らかとなった。この時冷却速度は遅い程、再溶体化後の高温保持時間は長い程最終結晶粒径が大きくなる事が分かった。これにより長さ約5㎜、幅25㎜の板材を単結晶とする事ができた。 3.β単相状態から冷却しα相を析出させることにより、β結晶粒内に亜結晶粒組織が形成される事が明らかとなった。α相とβ相は基本的にBain、K-S及びPitschの結晶方位関係を満足しており、冷却してα相が成長するに従ってα/β界面の整合性が低下する事に起因して亜結晶粒界が形成されると考えられる。この状態から加熱するとα相がが消失してから異常結晶粒成長が開始するまで時間差が多くあったため、α相が粒成長のインヒビターとして振舞う事が異常粒成長の要因ではないと結論付けられた。β単相においても亜結晶粒組織が元のβ結晶粒内に保持されていたことから、亜結晶粒界のエネルギーが駆動力となって異常粒成長が開始すると考えられる。亜結晶粒の粒径は時間によってあまり変化しないためβ結晶粒は常に粒成長の駆動力を与えられ続け、巨大結晶粒へと成長すると考えられる。
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Research Products
(6 results)