2012 Fiscal Year Research-status Report
Al/Fe界面でのAl液相中反応制御を用いた高品位Al/Fe接合の可能性
Project/Area Number |
24656427
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 裕 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00292243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粉川 博之 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10133050)
藤井 啓道 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70560225)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 材料加工・処理 |
Research Abstract |
AlとFeの接合では、界面にAl-Fe系金属間化合物が生成するため、高い信頼性を有する継手を得ることは難しい。AlとFeの接合を信頼性の高い汎用技術として普及させる1つの方策として、Al/Fe界面でのAl-Fe系金属間化合物以外の安定反応層を形成が挙げられる。本研究では、Alと亜鉛めっき鋼板の接合において生じる「ZnによるAl溶融」と「Al液相中での反応」によりAl/Fe界面にAl-Fe2元系金属間化合物以外の安定反応層を得るための基礎学理を得ることを目的に、Al/Fe界面での反応層形成に及ぼす亜鉛めっき中合金元素の影響を調べている。H24年度は亜鉛めっき(Zn)の溶融により形成するAl液相中においてアルミニウムと親和力の高い合金元素として、Ni, Cu, Ti, Mgを選定し、これらを含む亜鉛めっき鋼板を作製することを試みたが、技術的な課題によりNiとCuを含むもののみを得ることができた。アルミニウム合金と亜鉛めっき鋼板の異材接合を摩擦攪拌点接合により実施し、引張試験と組織観察に供した。合金元素を含まない場合も含め、接合界面にはAl-Fe系金属間化合物であるFeAl2.8が生成したが、亜鉛めっきへのCuとNiの添加によりFe4Al13の生成も認められた。接合界面のショルダ外縁部ではAl-Zn固溶体の存在が見られるが、Cu添加亜鉛めっきの場合には、粗大なAl2Cuの生成が観察された。引張せん断強度はNi添加によりほとんど変化しなかったが、Cu添加により著しく低下することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
その理由としては、種々の合金元素を含む亜鉛めっき鋼板の作製が難しいことによる。すなわち、アルミニウムと親和力の高い合金元素を含む亜鉛を鋼板にめっきする技術が確立されていないため、Al/Fe界面での反応層形成に及ぼす亜鉛めっき中合金元素の影響を系統的に調べるのが技術的に困難であり、これまでNiとCuの影響しか調べられていない。得られた継手の力学試験と組織解析は順調に実施して、これらに関するノウハウを取得することができ、種々の合金元素を含む亜鉛めっき鋼板の作製以外の部分に関しては計画どおり達成されている。
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Strategy for Future Research Activity |
種々の合金元素を含む亜鉛めっきを鋼板にめっきするのが技術的に難しいため、種々の合金元素を含む亜鉛合金を作製し、鋼板上に蒸着するなどして対応する予定である。本研究の主たる目的は、溶融Al/Fe界面での反応層形成に及ぼす亜鉛めっき中合金元素の影響を系統的・学術的に究明することであるため、アルミニウム合金と亜鉛めっき鋼板の接合界面における現象を疑似的に再現する実験にも取り組む予定である。すなわち、亜鉛と合金元素を含む溶融Al中にFeを浸漬し、反応層形成に及ぼす合金元素の影響に関する基礎知見を得ようと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
鋼板への亜鉛めっきするための外注費、鉄鋼への亜鉛合金の蒸着、接合試験および亜鉛と合金元素を含む溶融AlへのFeの浸漬試験、その後の界面組織解析を行うための消耗品費、得られた成果を溶接学会(9月@岡山)にて発表するための旅費、学生の実験補助謝金として利用予定である。
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