2012 Fiscal Year Research-status Report
貴金属添加ナノポーラス酸化物を用いる高性能水素ガスセンサの開発
Project/Area Number |
24656431
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原 信義 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40111257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 泉 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20400278)
菅原 優 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40599057)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 水素ガスセンサ / 酸化チタン / ナノポーラス / 非晶質合金 / 脱合金化 |
Research Abstract |
水素はクリーンで再生可能なエネルギー源であるが,空気中の濃度が4%になると爆発する危険なガスである。したがって,エネルギー源としての水素の有効利用を拡大する上で,その安全性の確保は極めて重要な問題であり,そのために高性能水素センサが必要とされている。本研究の目的は,応答範囲,応答速度,ガス選択性に優れた水素ガスセンサを開発するために,貴金属含有ナノポーラス酸化物の新規作製法を考案することである。 独自のアイデアである貴金属含有ナノポーラス酸化物作製法(貴金属を含む三元系非晶質/ナノ結晶合金→「脱合金化処理」→貴金属含有ナノポーラス合金→「酸化処理」)を開発すると共に,作製した貴金属含有ナノポーラス酸化物センサの水素応答特性を評価する。 本年度は貴金属添加ナノポーラス酸化物作製方法の検討を行った。まず,2元系のTi-xCu合金(x=30~60)と3元系のTi-xCu-yNM合金(x=30~60,y=1~5,NM:Pt, Au, Ag)を作製し,いずれも非晶質であることを確認した。次にこれらを出発材料に用いて,電気化学的脱合金化処理により貴金属を含むナノポーラス合金を形成する方法を検討した。脱合金化過程の基礎的知見を得る目的で,Tiを優先溶解させる条件に関しても検討した。また,熱処理を行って結晶化させた合金についても検討し,脱合金化過程に及ぼす微細組織の影響を考察した。次いで,貴金属含有ナノポーラス酸化物を作製するために,ナノポーラス合金の高温酸化処理条件について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
脱合金化によるナノ構造体の作製に関して,当初予定より多くの成果が得られた。 (1)Ti-xCu合金(x=30~60)をフッ酸溶液中に自然浸漬するとナノポーラスCuが得られ,硫酸中でアノード分極するとナノポーラスTiができる。 (2)Ti-xCu合金(x=30~60)に1~2%のAu, Agを添加するとポアーサイズが数nmのナノポーラス構造体が得られる。これは貴金属吸着原子による表面拡散抑制効果によることを明らかにした。 これらの成果を5報の論文として発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
計画は順調に進んでいるので,当初計画通りに進めることで目的は達成されると考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(10 results)