2012 Fiscal Year Research-status Report
マイクロSHSによるレアメタルフリー耐熱高強度マグネシウム合金の創製
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24656432
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
山本 篤史郎 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40334049)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 自己伝播高温合成 |
Research Abstract |
Mg-5at%Al合金,Mg-10at%Al,Mg-15at%Al合金のインゴット材を高周波誘導加熱装置を用いて作製し,その組織を走査電子顕微鏡で観察したところ,Mg-Al二元系状態図に従ってMg相とMg17Al12相からなる共晶組織を形成していた.このインゴットを厚さ1mmの板状に切断した.切断したMg-Al合金板材のうち2枚を選択し,その間にNi粉末を配置し,まずは大気中で750℃で溶解したところ,大気中の酸素とMg-Al合金が反応してしまった. そこで,Mg-15at%Al合金中のMgと大気を遮断して加熱できるように,Mg-Al合金の外側をNi電解めっきにより被覆する試みを行った.Ni電解めっき液は水175mlに,硫酸ニッケル六水和物26.2g,塩化アンモニウム2.62g,ホウ酸2.62gを加えて作製し,pHは4.35であった.電解めっきは室温,2.3Vで60分間行った.すると,電解めっき中にMg-15at%Al合金中のMg相が溶解したため,Mg-15at%Al合金をNiめっきで被覆できなかった. 次に,電解めっきではなく,無電解めっきによりNi被覆を施すことにした.Ni無電解めっき液は水150mlにクエン酸三ナトリウム2.28g,塩化アンモニウム7g,硫酸ニッケル六水和物6.79g,ホスフィン酸ナトリウム6.79gを加えて作製し,さらに粒状の水酸化カリウムを加えてpHを9.5とした.めっき条件は,50℃で100分ほど保持した.電解めっき同様,無電解めっき中にMg-15at%Al合金中のMg相が溶解したため,Mg-15at%Al合金をNiめっきで被覆できなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Mg合金の耐酸化性の低さから,計画に必要なMg-Al合金とNiの複合化が遅れている.今後は,真空蒸着によりNiでMg-Al合金表面をするので,Mgの耐酸化性の低さは問題にならないと考えられる.また,Mg-Al合金板材にNi粉末を分散させる実験を,不活性ガス雰囲気中にて再度試みる.
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Strategy for Future Research Activity |
現在,Mg-Al合金表面を真空蒸着によりNiで被覆して実験を行っている.Niで被覆したMg-Al合金を大気中で加熱する.場合によっては,不活性ガス雰囲気中で加熱する. また,Mg-Al合金板材にNi粉末を分散させる実験を,不活性ガス雰囲気中にて再度試みる.こちらの試料は鍛造・圧延を行う. いずれの試料についても走査電子顕微鏡あるいは透過電子顕微鏡で組織観察を行い,ビッカース硬度測定を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Mg-Al合金の作製,Ni蒸着に必要な消耗品を購入する.昨年度までに得られた実験結果について,投稿論文ならびに国際会議で発表する.
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