2013 Fiscal Year Annual Research Report
ナノカーボンを用いた高性能微生物燃料電池電極の開発
Project/Area Number |
24656437
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大竹 尚登 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (40213756)
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Keywords | 微生物燃料電池 / カーボンナノチューブ / 電極 / 表面修飾 / 変換効率 |
Research Abstract |
本研究は,白金触媒を用いない高性能な微生物燃料電池電極を実現することを目的とするものである。そのために酵母菌を原料とし,メチレンブルーをメディエータとした微生物燃料電池システムを構築し,100µW/cm2の高効率微生物燃料電池を実現することを研究目標として研究を遂行した。本研究で得られた知見を以下に記す. 本研究で用いた電池セルの発電特性に関する知見を得る為,発電微生物に「パン酵母」として知られるSaccharomyces cerevisiae を用いて発電実験を行った.まずS. cerevisiae が炭素繊維の分散剤として機能することを見いだした.これは,S. cerevisiae と炭素繊維間の電気的な相互作用によるものであると示唆された.また炭素繊維とアノード溶液の親和性を高め,電極の実効表面積の更なる拡大を目的に,カーボンペーパー電極・炭素繊維に対し,紫外線照射化の過酸化水素水中で表面酸化処理を行った.表面処理カーボンペーパーを微生物燃料電池アノード電極に用いた結果,多孔質構造内部までアノード溶液が浸透することで電極の実効表面積が拡大し,約1.5 倍の出力向上を実現した. 最後にCNFの添加量の増加に伴い電極の実効表面積が拡大し,電池セル出力が増加することを明らかにし.CNF 1.5 wt.% 添加の系では,従来の最大電力密度の約20 倍にあたる204 µW/cm2 を達成し,微生物燃料電池の高出力化に向け,炭素繊維分散導電網の有用性を示した.さらに導電網が形成される為の炭素繊維添加量にはしきい値が存在することを,パーコレーション理論により示した.また,高アスペクト比を有する炭素繊維が導電網を形成しやすいことを明らかにした.
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