2012 Fiscal Year Research-status Report
自己表面改質による粒子表面へのナノポーラス層の形成と新材料創製への展開
Project/Area Number |
24656441
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内藤 牧男 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (40346135)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 表面改質 / 省エネルギー / 多孔質粒子 / ナノ多孔体材料 / 超低熱伝導材料 |
Research Abstract |
粒子同士に互いの表面を削らせてナノ粒子を発生させ、それらを削られた粒子表面にデンドライト(樹枝)状に再結合できれば、同じ材質のナノポーラス層による自己表面改質が実現する。得られた粒子表面の微細構造や、粒子集積によって粒子間に形成されるナノポーラス層の連結構造を活用して、安価で多様な新材料の開発が期待できる。本研究では、結晶性や粒子径の異なるシリカ粒子をモデル材料として、自己表面改質によるナノポーラス層形成の可能性を検討する。平成24年度は、粒子表面粉砕、並びに粒子同士の接合に及ぼす諸因子の影響を基礎的に解析するために、粒子間に圧縮・摩擦作用を効果的に作用させることが可能な粉砕・改質装置の試作を検討した。本研究では、将来の量産化技術への発展を視野に入れ、回転運動により粒子間に圧縮力、並びにせん断力を繰り返し作用させる方法を採用し、装置の立案と試作を行った。次にガラスビーズをモデル原料として選定し、装置の基本特性について検討を行った。実験は、装置回転数と処理時間を変えることにより、ガラスビーズの構造の変化過程を検討した。処理後のガラスビーズの粒子径分布を測定するとともに、粒子の表面構造を電子顕微鏡により観察した。その結果、本装置を用いることにより、ガラスビーズ同士の圧縮・摩擦作用に基づく粒子表面からの微粒子の発生が見出された。さらに、その傾向は、処理雰囲気の影響を受け、水分量が高い方が粉砕が促進されることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の目的である粉砕・改質用実験装置の立案と試作を予定通り終了している。さらに、この装置を用いて、モデル粒子であるガラスビーズ表面から微粒子が発生することを実験的に明らかにしている。以上進捗状況により、おおむね順調に進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は試作された装置をさらに活用して、ガラスビーズ表面からの微粒子の発生に加えて、微粒子のガラスビーズ表面への接合に及ぼす処理条件の影響についても詳細に検討する。さらに結晶性のシリカ粒子や粒子径の異なる材料に対しても、同様の検討を行うことにより、デンドライト状のナノ粒子層を粒子表面に形成させるためのプロセス条件を明らかにする。以上の結果をもとに、粒子を集積させた構造の応用事例として、超低熱伝導材料開発の可能性も検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、これまでの研究成果を十分に踏まえて、原料粉体の選定を行うとともに実験条件を設定した。その結果、目的とする成果を当初予算より少ない額で得ることができた。平成25年度は、本研究で最も達成が困難とされる粒子表面への微粒子のデンドライト状の接合に着手するため、当該研究費も含めた予算を有効活用して研究に取り組む予定である。
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