2013 Fiscal Year Annual Research Report
固相流動現象の可視化技術を活用した構造物の選択的部分強化改質技術の開発
Project/Area Number |
24656443
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤井 英俊 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (00247230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森貞 好昭 大阪大学, 接合科学研究所, 講師 (00416356)
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Keywords | 摩擦攪拌接合 / 3次元可視化 / 部分改質 / 析出強化 / 変態 / X線 |
Research Abstract |
母材上へ異なる種類の粉末を塗布した後、高速回転する円柱状の工具を押し当てながら移動させることで摩擦熱を発生させ、「攪拌-分散-拡散-変態」あるいは「攪拌-分散-拡散-固溶-析出」等の複雑な固相反応を1プロセス中で行い、その部位の特性を大幅に向上させる手法の開発に取り組んだ。 平成25年度は、適用範囲をこれまでのAl合金から鉄鋼材料あるいは鋳鉄へ展開した。工具の回転速度、移動速度を変化させて実験を行い、基地中への炭素の拡散が十分であり、かつ、十分に大きい冷却速度を得られる条件を決定した。ツールには、Si3N4などのセラミックスの他、低温(650~950℃)での十分な強度と靱性を有するWC超硬合金ツールを用いた ツールの回転速度を900~1500rpm、移動速度を50~1000mm/minと変化させて、回転ピッチを用いて、入熱量を制御しながら実験を行い、表面硬化した部位の機械的特性をマイクロビッカース硬度により評価した。硬度および硬化層の厚さを測定し、条件依存性を明確にした。 これに基づいてI:オーステナイト領域までの加熱、II:動的再結晶を利用した炭素の拡散の促進、III:大きな冷却速度の3つの要素を同時に実現できるプロセスを確立した。本手法を用いることで、例えば成形性の良い素材で大型構造部を製作した後、必要に応じて任意の場所を高強度化し、構造物全体の機械的特性を維持するプロセスを構築することが可能となる。 「攪拌-分散」に関しては、2つのX線源を用いた世界で始めてとなる3次元固相流動可視化システムを構築し、Al合金および鉄鋼材料に対して、試料内の流動を直接観察した。これにより、欠陥形成メカニズムの解明やプロセスの最適化を行うことができ、多くの招待講演を依頼された。
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