2013 Fiscal Year Annual Research Report
キャリア密度を制御したバイモーダルな結晶粒径分布を持つ高性能熱電変換材料の創製
Project/Area Number |
24656445
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
勝山 茂 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00224478)
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Keywords | 熱電変換 / 複合焼結体 / 電気伝導率 / 熱伝導率 / 酸化亜鉛 / パーコレーション / スクッテルダイト |
Research Abstract |
本研究は、キャリア密度を制御した大小2つの結晶粒から成る複合焼結体(バイモーダルな結晶粒径分布を持つ焼結体)を作製し、その熱電特性を評価することを目的とする。スクッテルダイト化合物CoSb3および酸化亜鉛ZnO系について検討を行った。 CoSb3系については、粗大結晶粒粉末としてCoSb3インゴットを乳鉢で粉砕し、篩により粒径32μmから63μmの範囲になるように分級したものを、微細結晶粒粉末としてメカニカルミリング処理により粒径1μm以下となるように調整したものを用意した。粗大結晶粒粉末から作製した焼結体の573Kの電気伝導率σは229.8SCm-1、熱伝導率κは4.89Wm-1K-1、微細結晶粒粉末から作製した焼結体のσは158.4Scm-1、κは4.23Wm-1K-1であり、粒径制御によりσおよびκの異なる粉末粒子を作製できた。これら粉末の混合物を焼結して作製した複合焼結体では、粗大結晶粒粉末の体積分率の増加とともに電気伝導率σおよび熱伝導率κは単調に増加し、無次元性能指数ZTは微細結晶粒のみから成る焼結体で673Kにおいて最大0.15が得られた。 ZnO系については、溶液化学的手法の一種である錯体重合法により粒径1μm程度の(Zn0.898Mg0.1Al0.002)Oの組成を持つ粉末を作製した。一方、錯体重合法およびホットプレス法により(Zn0.99Al0.01)Oの粒径2~5μmの粉末を得た。この系においては、Alの添加量を変えることにより試料のσを、Mg添加によりκを制御することができた。これら2種類の粉末から作製した複合焼結体のσおよびκは(Zn0.99Al0.01)O粉末の体積分率が増加するにつれて単調に増加する傾向が見られ、ZTは、(Zn0.99Al0.01)O粉末の体積分率が約30%の試料において最も高い0.13が得られた。
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Research Products
(5 results)