2013 Fiscal Year Research-status Report
トップダウン・ボトムアップ融合型微細加工による金属ナノ構造体の創成と制御
Project/Area Number |
24656447
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 洋揮 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (00516958)
|
Keywords | 材料・加工 / ナノ材料 / 半導体微細化 / 表面・界面物性 / 電子・電気材料 |
Research Abstract |
本研究では、モノを削っていくトップダウン手法であるリソグラフィ技術では困難である1ナノレベルの制御を行うため、金属ナノ粒子のアグリゲーションという自己集合的なボトムアップ手法をトップダウン手法に融合することで、原子レベルで制御できる新規微細加工技術の創製することを目的としている。 平成25年度はポリマー薄膜中での金属ナノ粒子のアグリゲーション過程の解明を試みた。実際に、石英基板及びシリコン基板上にスピンコートし、薄膜を形成して、75 kVの電子ビーム描画装置及びガンマ線などの量子ビームを使って薄膜中で金属ナノ粒子が形成可能であるどうか調べた。ポリマー薄膜中で生成されたかどうかはプロズモン吸収分光測定法によって調べた。高分子中で生成された銀ナノ粒子や金ナノ粒子は400 nm付近と530 nm付近にそれぞれ表面プラズモン吸収を示し、それぞれのナノ粒子の生成が確認された。このように、高分子中で銀ナノ粒子と金ナノ粒子が形成可能であることが明らかになった。実際に、透過型電子顕微鏡(TEM)や原子間力顕微鏡(AFM)や走査型電子顕微鏡(SEM)で粒子サイズや粒子サイズ分布を求め、プロセス依存性についても調べた。ポリマー構造によって金ナノ粒子や銀ナノ粒子ができる場合とできない場合があることが明らかになった。また、照射線量の違いによって生成するナノ粒子の大きさが異なることがわかった。 このように、ポリマーの種類によって金属結晶成長の違いがあることが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は原子レベルで制御できる新規微細加工技術の創製するために、ポリマー薄膜中での金属ナノ粒子のアグリゲーション過程の解明を目指した。実際に、石英基板及びシリコン基板上にスピンコートし、薄膜を形成して、75 kVの電子ビーム描画装置を使って電子線を使って薄膜中で金属ナノ粒子が形成可能であることが明らかになった。高分子中で銀ナノ粒子や金ナノ粒子を作製することができることに成功した。実際に、透過型電子顕微鏡(TEM)や原子間力顕微鏡(AFM)や走査型電子顕微鏡(SEM)を使って金属ナノ粒子の粒子サイズや粒子サイズ分布を求め、プロセス依存性についても明らかにすることができた。ポリマー構造によって金ナノ粒子や銀ナノ粒子ができる場合とできない場合があることが明らかになった。また、照射線量の違いによって生成するナノ粒子の大きさが異なることがわかった。このように、ポリマー構造による金属結晶成長の違いがあることが観察された。これらの結果より、高分子薄膜中での反応機構の解明への糸口を見つけることに成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
電子線を使って薄膜中で金属ナノ粒子が形成可能であることが明らかになったので、平成26年度は実際にシリコン基板に薄膜を形成し、75 kVの電子線描画装置で微細パターンを形成する。金属ナノ構造体の制御の評価として、解像度の計測はSEMを用いて行う。パターン表面のナノオーダーのラフネス形成の解析には、SEM画像を解析ソフトで解析することで、金属ナノ粒子のラフネス形成への影響について調べる。ラフネスが微細すぎて観測できない場合は、金属の微細パターン形成を試み、電極を作製して形成したパターンのしきい電圧のばらつきを調べることでラフネス形成を調べる。さらに、パターン表面のナノオーダーのラフネス形成の原因を解明する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入予定であった試薬(ポリマー)の生産がストップしたため 次年度使用額は薬品といった消耗品などの物品費購入費にあてる。
|