2012 Fiscal Year Research-status Report
新規多孔質酸化鉄粒子を用いる吸着・脱着によるヒ素回収プロセス
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24656452
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
鈴木 茂 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (40143028)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 弘造 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (10311549)
藤枝 俊 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (60551893)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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| Keywords | 金属生産工学 / 廃棄物処理 / 非鉄金属製錬 / 水処理 |
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| Research Abstract |
scoroditeと呼ばれる砒酸鉄をpHの高いアルカリ溶液に浸漬することにより、Fe(III)からなる酸化鉄の多孔質粒子が得られる。これらの粒子は、良好なイオン吸着特性を示すmaghemiteと類似した局所構造を有している。本年度は、scoroditeの粗大粒子をアルカリ溶液に浸漬して作製した多孔質酸化鉄粒子の形態や特性の評価、およびその制御に取り組んだ。窒素ガスの吸着特性を測定した結果、これらの多孔質酸化鉄粒子は極めて大きな比表面積および微細な孔を有していることが明らかになった。また、低温での磁化測定を行った結果、超常磁性が観察された。つまり、多孔質酸化鉄粒子は強磁性の微細粒子の凝集体であることが示された。多孔質酸化鉄粒子に熱処理を施すと超常磁性のブロッキング温度は上昇した。多孔質粒子を構成する微細粒子が焼結することにより、そのサイズが大きくなることを示唆する結果を得た。また、熱処理を施すことにより比表面積は減少し、細孔のサイズが大きくなることが明らかになった。多孔質酸化鉄粒子の形態や局所構造が、熱処理を施すことにより制御できることを示した。
上記のようにして作製した多孔質酸化鉄粒子の砒素の吸着および脱着特性を評価した。pHの減少に伴い多孔質酸化鉄粒子の砒素吸着量は増大することが示された。多孔質酸化鉄粒子に熱処理を施すことにより、比表面積は減少するため砒素吸着量は減少する。しかし、細孔のサイズが大きくなるため砒素脱着率が増大することを明らかにした。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、scorodite粗大粒子から大きな比表面積を有した多孔質酸化鉄粒子を作製し、その比表面積と細孔のサイズを制御することに成功した。また、脱着率を向上させることも出来た。次年度に向けて、電位を測定しながら砒素の脱着実験を行うための実験環境を整えた。次年度に大きな展開が期待できる成果を得た。
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| Strategy for Future Research Activity |
高pHのアルカリ水溶液にscorodite粗大粒子を浸漬することにより多孔質酸化鉄粒子が生成することは、Asがアルカリ水溶液へ放出されることを示唆している。しかし、多孔質酸化鉄粒子の形状を保つには、高pH水溶液中で酸化鉄のFeが溶け出さず、Asのみが脱着する条件を見出す必要である。この条件を見出すために、幾つかの高pH溶液でのAs 脱着量を調べ、多孔質酸化鉄粒子が劣化せずにAsの繰り返し吸着・脱着が可能な条件を明らかにする。Asの脱着では、AsO43-よりもAsO33-が水中に溶解しやすいことを考慮し、電位を低く調整した水を洗浄液として用いる。
上記のようにして多孔質酸化鉄粒子によるAs吸着と脱着の水溶液の条件を最適化するだけでなく、脱着して回収したAsを固定化するためのプロセスも検討する。ここでは、多孔質酸化鉄粒子から脱着させたAs 含有の高pH水溶液が、非鉄金属製錬工程で生成したAs 化合物溶解の処理液に利用できることに着目する。すなわち、本研究で脱着させたAs(III)を過酸化水素水によりAs(V)に酸化させて、scorodite作製のための原料として利用できるか検討する。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成25年度請求額とあわせて、平成25年度の研究遂行に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)
