2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656453
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 讓 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (80108464)
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Keywords | 溶融塩 / 電解 / 耐熱材料 / 耐酸化被覆 / コーティング / NbSi2 |
Research Abstract |
熱効率の向上やCO2の排出量削減を目指し、ガスタービン用のニッケル(Ni)基超合金の耐用温度は1100℃まで向上してきている。しかし、Ni基超合金は、融点が高々1300℃中盤であるため、今後、耐用温度の飛躍的な向上は期待できない。本研究では、これまで耐酸化性に劣るため実用化されなかったニオブ(Nb)基合金に機械的・化学的に安定な耐酸化性被膜を形成することで、耐酸化性を高めて超耐熱合金として実用化することを目標とした。具体的には、溶融塩中で電気化学的にNb基合金表面を珪化および硼化することでNb-Si系の合金被膜を形成することを試みた。特に、溶融塩中でのイオンの電気化学的挙動を検討することで、緻密で機械的・化学的に安定な被膜を形成するのに最適な条件を探った。 平成25年度は、前年度の基礎的検討を基に、定電流電解によるNb表面の珪化に注力した。具体的には、弗化物溶融塩(LiF-KF共晶塩)中に珪素源(K2SiF6)を添加・溶解させ、Nb電極(板状、厚さ50~100 micron)を用いて定電流電解を行った。特に、電流密度を10mA cm-2と低く設定し、温度を1173 Kと高く設定して、表面に生成するNbSi2被膜の厚膜化を狙った。その結果、板状電極の片面で55~70 micronのNbSi2被膜を形成することに成功した。また、得られた被膜を大気下で予備酸化処理し(773~1173 K)、表面にSiO2の被膜を形成することにも成功した。
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