2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656458
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
邑瀬 邦明 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30283633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北田 敦 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30636254)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 電析 / マンガン / イオン液体 / 常温溶融塩 / 室温溶融塩 |
Research Abstract |
本研究ではまず、イオン液体としてEMImCl(1-ethyl-3-methylimidazolium chloride)を用い、MnCl2を溶解させてマンガン電析浴とした。しかし、EMImClは電位窓がMn基準で0~2 V程度であり、マンガン電析に用いるには還元に対する耐性が不足していた。そこで、2位がメチル置換されたb-diMImCl(1-butyl-2,3-dimethylimidazoliumum chloride)を用い、電析を試みた。EMImClをb-diMImClに変えることで、還元側の電位窓は約0.5 V広がり、カソード側での還元電流に対応し、酸化波が観測された。これは、カソード側への掃引中に電析したMnのアノード溶解である。より還元耐性の高い脂肪族アンモニウム陽イオンをもつイオン液体も検討したが、高粘性等の理由で使用を断念した。なお、EMImClにはMnCl2が0.5 mol kg-1までしか溶けないが、b-diMImCはMnCl2を1.5 mol kg-1程度まで溶解した。 b-diMImC浴を用い、電位 -0.8 V vs. Mn、浴温度160 ℃で定電位電解を行ったところ、電析物に金属光沢はなかったが、EDX分析によって電析物がマンガンを含むことを確認したことから、このイオン液体からのマンガン電析は成功したと言える。このときのX線回折パターンには単体Mnに帰属できる回折は観測されず、電析物はアモルファスであった。しかしながら、電析物の通電電気量から期待した量に比べ、実際の電析量は少なく電流効率は水溶液系での60%にも満たなかった。 比較のため、スルホン系の有機溶媒も試みた。アルミニウム電析等で実績のあるジメチルスルホン(もしくはさらにアセトアミドを添加した溶媒)にMnCl2を溶解させて建浴した場合、Mnの電析を容易に行わせることができた。
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Research Products
(1 results)