2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24656466
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
山本 辰美 富山大学, その他の研究科, 助教 (60220480)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 真人 富山大学, その他の研究科, 教授 (90301803)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 微粒子形成操作 / 人工赤血球 / コーヒー現象 |
Research Abstract |
本研究では、赤血球様人工微粒子の作製法の確立と工業的大量生産にも対応できる基礎技術の確立を目指している。 第一ステップとして、既存のインクジェット吐出装置(クラスターテクノロジー社製、ノズル径15μm)を用いて0.8%アルギン酸ナトリウム水溶液と5%ヘモグロビン水溶液の混合溶液を空気中に吐出し、空気中で水分を減少させて粒径を小さくしたヘモグロビン含有微粒子を塩化カルシウム溶液に浸してゲルビーズを作成する方法を試みた。その結果、平均径数十μmの吐出滴が、ヒト赤血球とほぼ同じ大きさ(平均径6μm)まで小さくなり、ゲル化してもその粒径は変化せず、ほぼ単分散状態のヘモグロビン含有ゲル粒子ができることが確認できた。(3rd TERMIS World Congress (Sept.2012, Vienna)にて発表) また、生成されたヘモグロビン含有ゲル粒子をpoly-1-lysineでコートすることにより、含有ヘモグロビンの漏出を減少させられることを蛍光顕微鏡による観察と吸光度測定により確認でき、培養用人工酸素運搬体の機能を持たせる可能性も示唆された。(日本バイオマテリアル学会 北陸若手研究発表会(2012年12月、石川)にて発表) 更に、吐出液の粘度がゲルビーズ径分布に与える影響を考慮して、アルギン酸ナトリウム濃度により粘度を変化させた実験を既存のインクジェット吐出装置(クラスターテクノロジー社製、ノズル径15μm)を用いて行い、吐出液粘度によるゲル粒子サイズの制御が可能であることも確認した。(化学工学会78年会 (2013年3月、大阪)にて発表)
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
赤血球とほぼ同じ大きさで粒度のそろったヘモグロビン含有ゲル粒子の作成に成功した。作成されたゲル粒子は現時点では球状であり、凹んだ赤血球の形状には至っていない。 ゲル粒子を凹んだ赤血球の形状にするために、従来のインクジェット吐出装置に加えて、新たな液滴形成システムの利用を試みている。
|
Strategy for Future Research Activity |
・早急に新たな液滴吐出システムを構築する。 ・コーヒー現象を起こりやすくするために、集束イオンビーム(FIB)を用いた微細加工により液滴着床系を改良して、ゲル粒子を凹んだ赤血球状に出来ることを確認する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・新しい液滴吐出システムの構築のための新規ヘッド導入。 ・集束イオンビーム(FIB)を用いた微細加工による液滴着床系の改良。
|
Research Products
(3 results)