2013 Fiscal Year Annual Research Report
一方向凍結を利用した高強度組織侵入性骨補填材の創製と多孔構造制御法の開発
Project/Area Number |
24656468
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田門 肇 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30111933)
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Keywords | 骨補填材 / 連通多孔構造 / 一方向凍結 / 焼成 / ヒドロキシアパタイト / リン酸三カルシウム |
Research Abstract |
骨補填材作製過程は,①有機ゲルや複素環構造を側鎖に有する高分子を含有したアルコールにリン酸カルシウム系セラミックスを分散させる工程,②一方向凍結で組織侵入性(貫通性)気孔構造を形成させる工程,③凍結させたスラリーを凍結乾燥させて成形体を得る工程,④乾燥させた成形体を焼成する工程からなる。バインダーや溶媒の選定,一方向凍結条件,リン酸カルシウム系セラミックスの焼成条件に詳細な検討を加え,100μm以上の連通気孔径,10MPa以上の圧縮強度,優れた骨伝導性をもつ骨補填材を作製し,気孔率,気孔径,壁構造を制御する方法を確立する。平成25年度は,骨補填材用に作製したモノリスの高強度化と多孔構造の制御に関して検討を加えた。 一方向凍結を利用し,t‐ブタノール(TBA)を溶媒,ポリビニルピロリドン(PVP)をバインダーとして,リン酸カルシウム系セラミックス粒子(ヒドロキシアパタイト(HAP)粒子あるいはリン酸三カルシウム(TCP)粒子)を成形し,焼成によって細孔径100μm以上,圧縮強度10MPa以上のモノリスを作製することができた。モノリスの空隙率と圧縮強度の関係,モノリスの特性(細孔特性,圧縮強度,結晶構造)に及ぼす焼成温度の影響,生体適合性に劣るα-TCPを生成させない焼成温度が明らかになった。 成形体の多孔構造の制御因子を明らかにするために,一方向凍結シミュレーションを実施した。シミュレーションによりモノリスの多孔構造を制御する因子は,冷媒への浸漬速度,外界温度,試料サイズであり,冷媒温度は顕著な影響を及ぼさないことが分かった。モノリスのマクロ孔を大きくするには,浸漬速度を小さく,外界温度を低く,試料サイズを大きくする必要があることが明らかになった。この結果は,冷媒温度,外界温度,試料サイズを変化させて作製したモノリスの多孔構造を評価することによって裏付けられた。
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