2013 Fiscal Year Annual Research Report
既存膜性能限界を打破する挑戦的異型構造中空糸膜の創製
Project/Area Number |
24656470
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松山 秀人 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50181798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神尾 英治 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30382237)
大向 吉景 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20513542)
石神 徹 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70595850)
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Keywords | 異型構造 / 水処理 / ファウリング |
Research Abstract |
膜技術は、グリーン・イノベーションを達成するキーテクノロジーとして注目されている。膜分離は原理的に膜を挟んで相変化が起こらないため、相界面での不可逆的損失を大幅に低減可能な省エネルギー的手法である。しかし現状の膜性能は、構造が理想的で無いことや汚れ物質の付着のため、その理論的最高性能には及ばない。本研究では、異型構造膜を世界に先駆けて創製し、理論的最高性能への到達度を高めることで、既存膜の性能限界のブレークスルーに挑戦したい。 ①数値流体力学による解析:中空糸膜の異型形状は膜表面近傍での流速分布に影響を及ぼすことから、平滑膜と比較した流速分布の変化がファウリング挙動に作用するものと考えられる。そこで、外圧式ファウリングモジュール内における凸部の形状とせん断応力の関係について、流速分布の詳細なシミュレーションを行った。凸部広さ、凸部高さ、凸部の間隔や数についてパラメータを変化させた流路を設計し、CFD解析から流速分布を得た。特に凸部の高さはせん断応力に顕著な影響を与えることがわかった。従ってこのようなシミュレーションを通して、異型構造の中空糸膜の構造設計に関する指針得たと言える。 ②異型構造を有する膜の作製およびバイオフィルム形成に及ぼす表面構造の影響:ポリエーテルスルホン(PES)を用い、フォトリソグラフィーにより0.5ミクロン、1.0ミクロン、2.0ミクロンの直径またはピッチ幅を有するPillar、Hole、Line状の規則的なナノパターンを付与した異型構造フィルムを作製し、表面構造が微生物の付着およびバイオフィルム形成に及ぼす影響について評価を行った。これら3種類のナノパターン中では、Pillar構造を有するフィルムにおいて最も微生物の付着が抑制され、Pillarの直径はより小さい0.5ミクロンのナノパターンが最も効果的であることを見出した。
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