2014 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブの気相コーティングプロセスの開発
Project/Area Number |
24656471
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島田 学 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70178953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 優 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00633752)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナノ材料 / 複合材料・物性 / 被覆 / プラズマ反応 / エアロゾル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、カーボンナノチューブ(CNT)の気相分散と浮遊状態CNTへのプラズマ反応による被覆を利用した、CNTの表面コーティングの新規気相プロセスを開発し、適切な操作条件や、有用性等を示すことを目的とした研究を行った。最終年度の研究成果の概要は、以下のとおりである。 1.前年度から引き続いて、CNTの酸化チタンによるコーティングプロセスに関わる操作条件を変化させる実験を行って、条件とコーティング状態の関係に対する理解を深めた。ここでは、被覆物の形態が、CNT表面での被覆物の析出と併行して起こる、気相中で生成した粒子状物質の被覆物表面への付着に影響されることがわかった。そこで、この付着を抑制する工夫を加えたところ、コーティングの均一性、平滑性を向上させることができた。 2.シリコンの有機金属蒸気を原料としたコーティング実験を行い、操作条件を探索・吟味することで、CNT上に酸化シリコンコーティングを実現できた。さらに、アルミニウム源の蒸気を用いた、酸化アルミニウムコーティングも可能であることがわかった。 3.上記の酸化シリコンコーティングでは、酸化チタンコーティングとほぼ同じ厚さの被覆膜が生じる場合でも、被覆膜の平滑性、稠密性はより高いことがわかった。また、酸化チタンコーティング、酸化シリコンコーティングそれぞれについて、化学反応速度が異なると考えられる別の蒸気を原料としたところ、被覆膜の形態に差異がみられた。 4.2と3の実験結果に考察を加えることで、被覆膜の生成と形態の形成過程に関わるモデルを導いた。このモデルでは、被覆物を生じる原料の気相および表面での反応速度、反応物の表面での泳動と核生成の速度の影響が考慮され、実験結果が定性的に説明された。これにより、希望するコーティング性状を得るための、設計・設定の道筋を提示できたと考える。
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Research Products
(13 results)