2013 Fiscal Year Annual Research Report
指向性タグを有するナノリアクター反応システムの構築
Project/Area Number |
24656472
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
後藤 雅宏 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10211921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 富生子 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60294899)
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Keywords | ナノリアクター / タンパク質 / DNA / ナノテクノロジー / バイオ材料 / 分子集合体 |
Research Abstract |
DNAやタンパク質は生体内で生命機能を維持するために必要不可欠な生体高分子である。一方で、それらの生体高分子は、それ自身が高度に設計された機能を有するため、大変魅力的なナノマテリアルといえる。したがって、様々な分野で、その本来の機能を超えた応用研究が展開されている。なかでも、異なる機能を有する生体高分子同士を連結させることで、多機能あるいは新機能を有する材料が数多く生み出され、新たな研究分野が展開されている。本研究では、DNAとタンパク質の機能に注目し、新たなナノリアクター創製の方法論の確立を目的に研究を行ったものであり、主な研究成果は以下の通りである。 1. DNAとタンパク質を複合化させることで、双方の機能を利用可能なナノリアクターの創製が可能となった。本研究では、遺伝子組換えタンパク質の精製で汎用的に利用されているペプチドタグと金属錯体のアフィニティーに注目し、部位特異的にDNAとタンパク質を結合させる方法論を確立した。 2. DNA-タンパク質複合体の応用として、マイクロプレート上に固定化したDNAに、特定の分子と相互作用するアプタマー配列を導入し、調製したDNA-AP複合体を利用した新規ナノリアクターシステムを構築した。ターゲット分子として、血液疾病に関わるタンパク質、トロンビンを選択した。トロンビンの存在により、APの固定化量が変化することを明らかにし、トロンビンの濃度に応答したAP活性の変化を観測できた。 3. トロンビン間隔を制御した鋳型を構築し、トロンビンと結合するDNAアプタマーによって、鋳型DNA上にトロンビンを配列可能であることを明らかにした。さらに架橋剤を添加し、トロンビンの架橋を行った結果、鋳型DNAが存在することで、効率的にトロンビンが3量化し、ナノリアクターの構築が可能となることを明らかにした。
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